「貧血」とは

「貧血」は、血色素(ヘモグロビン)の値が減ってしまっている状態です。なんらかの原因で赤血球をうまく作れなくなってしまっていて、一般的には、10-40代の女性に多い「鉄欠乏性貧血」がよく知られています。「鉄欠乏性貧血」は鉄分の摂取が少なかったり体内の鉄分が失われたりすることによって起こるものなので、女性だけでなく、男性でも中高生やアスリートでもよく見られます。

血の材料である鉄分が不足することで起こる「貧血」になると、全身が酸欠状態になり、疲労感が生じます。「鉄欠乏性貧血」は体内に鉄分が不足し、体中に酸素が行き渡らずに起こる症状で、体内の酸欠状態と言えます。その症状は体が疲れきった時に感じる感覚と似ているそうです。 鉄分が不足することで、脳の自律神経機能が低下してしまい、体の下に溜まった血液を頭部に送ることができなくなってしまい起こる症状です。

「貧血」に効果的な栄養素

食事での貧血改善に関しては即効性のあるものはありませんので、日々の食事で改善に繋がるよう意識しておきましょう。

鉄分

血の赤い色の成分であるヘモグロビンを構成する鉄分には“ヘム鉄”“非ヘム鉄”の2種類があります。レバー、赤身肉、赤身の魚などの動物性食品に多いのが吸収率の良い“ヘム鉄”。“非ヘム鉄”は、ひじきやわかめ、切り干し大根、のり、ごま、きなこ、ほうれん草などの植物性食品に多いのが特徴です。あさりやしじみなどの貝類は動物性食品ですが、非ヘム鉄を多く含みます。

タンパク質

タンパク質もヘモグロビンの材料となり、肉類、魚類、卵、大豆・大豆製品などに多く含まれ、非ヘム鉄の吸収を助けてくれます。

ビタミン類

ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を促します。ピーマン(赤・黄)やブロッコリー、キウイ、レモンなどに多く含まれています。

ビタミンB6は、ヘモグロビンの合成に関わる補酵素で、にんにくやピスタチオ、ごま、肉のレバー、赤身の魚などが多く含みます。

ビタミンB12は、赤血球の合成に関り、肉や魚などの動物性食品に含まれています。

ビタミンEは、抗酸化作用により、赤血球が壊れるのを防いでくれます。うなぎ、大豆・大豆製品、アーモンド、くるみ、ごまなどに多く含まれています。

葉酸

葉酸も赤血球合成に必要な栄養素で、のり、パセリ、肉の肝臓、煎茶、抹茶などに多く含まれます。

銅は、赤血球の合成に関わっていて、ホタルイカ、桜海老、牛レバー、大豆・大豆製品、ごま、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ココアなどに含まれます。

亜鉛

亜鉛は、赤血球が壊れやすくなるのを予防できます。牡蠣、赤身の肉、うなぎ、甲殻類、卵黄などにも多く含まれています。

「貧血」時に避けておきたい食材とは

鉄の吸収を阻害するものは「貧血」時に避けておきたいですね。カルシウム・炭酸・食物繊維・シュウ酸・タンニン・フィチン酸などが挙げられます。貧血の際にこれらが含まれるものを食べる時は、摂りすぎには注意しましょう。

カルシウムを多く含む牛乳や乳製品を摂る時は、鉄分の多い食品とタイミングをずらすと良いでしょう。シュウ酸は、ほうれん草などの葉菜類の野菜やコーヒー、ココア、紅茶、緑茶などに含まれています。シュウ酸は水に溶けるので茹でこぼしてから食べるのがオススメです。フィチン酸は、赤ワインやコーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンや豆類やライ麦、玄米に多く含まれます。これらを日頃から飲む・食べる習慣があると、知らぬ間に鉄の吸収率を下げている可能性があるそうなので、注意しましょう。

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