一晩寝かせたカレーに潜む危険な菌とは

カレーは2日目が美味しい!と、大量に作ることが多いですが、実はそんな一晩寝かせたカレーで食中毒を引き起こすことがあるんです。作った時にしっかり加熱していても残ってしまう菌があり、保存している間にそれが増殖してしまうためです。これの原因になるのが「ウェルシュ菌」です。

一晩寝かせることで増殖する「ウェルシュ菌」

「ウェルシュ菌」は自然界に幅広く生息している細菌で、空気を嫌う性質があるため、カレーやシチューの鍋底のような酸素が少ない環境で増殖するそうです。また、硬い殻を持った芽胞(がほう)を作るのですが、この芽胞は通常の状態の菌とは違い高温に強く、100度で数時間加熱しても死なないため、カレーの鍋の中で長時間煮込まれても生き残ってしまいます。

この芽胞のままであれば人体に被害を起こすことはなく、増殖もしないそうですが、いったん加熱した後、ウェルシュ菌が好む室温くらいまで鍋の中の温度が下がると、発芽して菌が目を覚ますことで急速に増殖を始めます。これが一晩寝かせたカレーで食中毒が起こる元凶です。

症状としては、ウェルシュ菌で汚染された料理を食べてから約6~18時間(平均10時間)後に、腹痛、下痢などの腹部症状が起こります。ウェルシュ菌以外にも、加熱しても死滅しない菌にセレウス菌、ボツリヌス菌があります。調理の際は、加熱したから大丈夫と過信しないようにしましょう。

食中毒を予防するための、カレーの保存法とは

食中毒予防のためには、料理ができたらすぐ食べるが鉄則ですが、カレーは大量に煮込んで作り、翌日以降に食べることも多いものです。そこで、翌日以降までカレーを保存したい場合は、ウェルシュ菌が繁殖しやすい20~50度程度の温度帯になる室温で長時間放置しないように、できるだけすばやく粗熱を取って、1回で食べきれる分ずつ厚みの少ない容器などに小分けにし、冷凍保存しましょう。翌日食べるのであれば冷蔵でも大丈夫みたいです。

たとえ真冬でも、最近の住宅は暖房などで部屋の温度が下がりきらないこともあり、室温での長時間保存は禁物です。家庭で調理したカレーの場合、冷凍保存の場合でも1週間以内には食べ切って。冷凍保存したカレーも、必ず食べる直前に鍋に移してかき混ぜながら、しっかり中心部まで再加熱して熱いうちに食べるようにしましょう。予め鍋に牛乳などを温めておいて、そこで溶かすようにして加熱すると焦がさず上手に温められるそうです。

カレーの場合、匂いや色の変化がわかりにくく腐敗に気づかないので、冷凍保存してあっても食べる時には注意しましょう。

ウェルシュ菌はカレーだけでなく、スープやシチューなどすべての煮込み料理でリスクがあります。調理する時には手洗いをしっかりする、中心部までしっかり加熱する、出来上がった料理はすぐに食べるなど食中毒予防の3原則である「つけない」「ふやさない」「やっつける」をしっかり守っておいしく健康的な食生活を送りましょう。

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