「かくれ脱水」とは

脱水症は進行するまで、これといった症状が出にくいのが特徴で、なりかけているのに、本人や周囲がそれに気がつかないため、有効な対策が取れていない状態を「かくれ脱水」と呼ばれています。

「かくれ脱水」は、今まではそれが気づかないままに放っておかれることが多く、医者にかかる脱水症の患者さんの多くは、すでに発症してから数日経っている中度以上で、命の危険をともなうレベルのものになっていることが多いそうです。本格的な脱水症になる前に有効な対策をとりましょう。でないと症状は一気に悪い方へ進んでしまいます。

その夏バテ、実は「かくれ脱水」が原因かも

特にこの時期、夏は夏バテになり、疲れやすくなったり、食欲が落ちたりする人が多いと思いますが、この夏バテの背景には「かくれ脱水」が潜んでいるケースも考えられます。

発汗などで体液が減ったり、食欲が落ちたりして体液が減ると消化管への血流も低下し、これにより消化吸収がスムーズに進まなくなり、栄養素が取れなくなり、疲れやすくなっていまいます。

そして消化器の血液量が減ると食欲も減退してしまいます。食が細くなると、さらに栄養素が足りなくなりますし、食べ物から水分と電解質が摂れにくくなるので、体液が減って一層脱水症に近づくという悪循環に陥ってしまうのです。

「かくれ脱水」が起こりやすい3つのシチュエーションとは

脱水症は、炎天下の野外で激しい運動や労働をしたときだけに起こるものではなく、さまざまな状況で起こりうることなんです。その前触れとなる「かくれ脱水」はいつでもどこでも起こります。なかでも注意したいのは、屋内、夜間、運転中という3つのシチュエーションと言われています。

脱水症の多くは実は屋内で起こります。例えばマンションのように気密性の高い集合住宅では、風通しが悪くなり、かいた汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくいため熱中症のリスクが上がります。

夜間も熱中症の危険度が高いです。暑い季節のコンクリート製の住宅では、昼間にコンクリートにこもった熱が夜間に放熱されるため、気温が上がりやすくなります。それなのに「夜トイレに起きたくないから」と水分摂取を控えると、発汗が増えて脱水症になりやすいのです。

また、運転中に熱中症になることもあります。運転に限らず、熱中症には物事に“熱中”しすぎるとリスクが上がるという側面があります。物事に熱中しすぎると水分補給が疎かになりやすいからだそうです。さらに運転中はトイレに行く回数を減らすために水分を制限しがち。窓を閉め切ると風通しが悪くなって汗が蒸発しにくいため、体温も上がりやすくなっていまいます。

「かくれ脱水」を防ぐには、、、

「かくれ脱水」を防ぐためには、まず体内の水分が不足しないよう水分をしっかり取ることが大事です。そして、水だけではなく、塩分もしっかり取りましょう。また、体温を一定に保つことも重要です。これには基本的に規則正しい生活を送り、3食はもちろん、睡眠時間の確保や適度な休息を取ることも未然に防ぐためには必要となってくるそうです。こういったところは疎かになっている方は要注意ですね。

また、汗を蒸発させるためにも、空調や扇風機などで室内の風通しをよくしたり、吸湿性や通気性のよい衣類を着用することも有効的です。「かくれ脱水」にならないためも、普段からのこまめな水分補給や生活習慣を把握して見直しましょう。

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