脱水症とは「体液」が不足している状態

体に含まれる水を「体液」と呼びます。体液は体の60%を占める水分とミネラル(電解質)、タンパク質などで構成され、生命維持に関わるさまざまな役割を果たしています。
脱水症は、何らかの要因により体内の水分とミネラルの一つであるナトリウム(塩)が不足している状態を指します。
脱水の種類は水分・ナトリウムの損失に関係して大きく二つに分けられます。

●低張性脱水
水分と一緒に血液中のナトリウムが不足してしまう状態のことで、だるさや吐き気、けいれんなどの症状が現れます。長時間のスポーツなど、発汗をともなう際に発症しやすいです。

●高張性脱水
体内の水分だけが不足する状態のことで、発熱や激しい口渇状態、意識の混濁なども起こすことがあります。自分で水分補給ができない乳幼児、高齢者に発症しやすい症状です。
気温の高い夏に熱中症を伴った脱水症はニュースになりやすいですが、日常生活のなかでもリスクが潜んでいることを理解しておきましょう。
目に見える発汗の他にも、無意識のうちに失っている水分量は体重50kgの人で1日に1000mlになるといわれています(不感蒸泄)。気温上昇や乾燥など環境による要因の他に、風邪などでも水分は失われます。

●具体的な症状
体液は栄養素の運搬や老廃物の除去、体温調節、新陳代謝などの生理的機能も担っているため、脱水症を引き起こすとさまざまな症状が現れます。
下痢・嘔吐などの水分損失を伴う症状、また風邪・肺炎などの発熱時にも、より多くの水分を失っていることになり、脱水症になる可能性があります。
特に乳幼児・高齢者では、必要な水分量や水分不足を感じにくいなどの違いがあるため、注意が必要です。

脱水症が起こりやすいタイミング

水分が失われると血液濃度が高くなり、いわゆる血液ドロドロ状態になってしまいます。これにより血行が悪くなると、体調不良だけでなく脳梗塞や心筋梗塞などを誘発する可能性もあります。起こしやすい状況を事前に把握し、予防を心がけましょう。

●スポーツ時
運動強度が上がるほど、体は発汗量を増やし体温調節が行われます。多量の発汗は水分だけではなく、ミネラルも多く失ってしまいます。気温が高いときはもちろん、それほど気温が高くない状況、または屋内においての運動でも、十分な水分がない状態での運動は注意が必要です。
運動を始める前には十分な水分摂取を行い、運動前後の体重差が2%以内になるように心がけましょう。短時間の運動なら水で十分ですが、1時間以上の運動、または強度の高い運動時には、ミネラル分を含むスポーツドリンクなどを補給するようにしましょう。

●日常生活
就寝時・入浴前後・飲酒のあとは特に体内で水分が少なくなりやすいです。濃い尿が出る場合、尿量が減ってきたときは要注意です。
また飲酒時はアルコールを代謝するために水が使われます。例えばビールを10本飲んだ場合、利尿作用により11本分の水分が排出されてしまいます。
喉が渇いてから飲むのではなく、こまめに補給することを心がけましょう。

●特に夏と冬に注意
夏は発汗も多く、高温多湿の気候に体が対応しにくくなり、いわゆる「熱中症」を起こしやすい時期です。発汗からミネラルを失いやすくなるため、水分と共に損失分のミネラルを補給して体の体液組成バランスを保ちましょう。
また、温度調節や服装などにも気を配り、余分な発汗を防ぎ、体温調節を心がけるのも効果的です。
そして、冬は乾燥によって粘膜にウイルスが付着し、さまざまな感染症が起こりやすくなります。なかでも冬に発症しやすいウイルス性の風邪や胃腸炎は、嘔吐や下痢を起こしやすいため脱水のリスクが高いといえます。またインフルエンザなどの高熱を発する病気でも、熱を下げるために大量の水分を必要とします。病原体と共に体液を大量に失ってしまうため、症状が起きる前にあらかじめ脱水対策をしておきましょう。

脱水症の予防法

脱水の軽い症状がでたときは、冷たい経口補水液などで、水分とミネラルを補いましょう。ゆっくりと飲むのが基本です。安静にしていれば、10~20分くらいで症状がおさまってくるでしょう。しばらくしても回復しない場合や、重度の脱水症状の場合は、すぐに病院に行きましょう。特に自分で対処が難しい乳幼児・高齢者には注意が必要です。
脱水は予防できる症状です。厚生労働省によれば、私たちの1日の水分摂取量は全体的に不足気味で、あとコップ2杯の水を補給すると十分な量を確保できるといわれています。水分を十分摂取することはもちろんですが、果物や野菜・汁物など水気を多く含む食品も水運補給におすすめです。加湿器などで部屋の湿度を保つのも脱水予防にとても効果的です。

●スポーツ時の予防法
運動の種類や時間によって水分摂取の目安が違います。適切な量を摂り、脱水を予防しましょう。
気温の高いときには15~20分ごとに給水休憩をとったり、1回200~250mlの水分を時間に2~4回に分けて補給したりするようにしましょう。
運動量が多い場合は、糖分の含んだ水分を補給すると、疲労の予防にも役立ちます。

●日常生活
のどの渇きを感じる前に水分を摂ることが重要です。
いつもよりコップ2杯分の水を多くとるように心がけるとともに、水分が不足しやすい寝る前後、スポーツの前後、入浴の前後、飲酒の後、には水分補給を意識しましょう。

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