アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、小児ではその10%程度がかかっているとされますが、成人になるにつれ、軽快していく傾向があります。しかし、成人してから再発する患者さんも多く、社会的に大変注目されている病気の一つです。
アトピーとは奇妙な、とらえどころのないという意味の言葉です。その言葉の通り、なかなかはっきりしない病気ではあります。痒みのある湿疹が繰り返し出現します。ご自身あるいはご家族が気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を持っていることが多く、また、IgEというアレルギーに関する抗体を持っていることが多く、そのような性質はアトピー素因と呼ばれています。
日本皮膚科学会で決めた診断基準では、痒みがあること、特徴のある発疹とその分布、慢性的に繰り返す経過が三つの大きな基準になっています。ですから、検査によって診断が決まるというのではなく、あくまでも症状、経過によって診断されます。繰り返す期間については、乳児では2ヶ月間、その他では6ヶ月間以上とされています。

ニキビ

ニキビは、毛穴を中心におこる慢性的な炎症疾患で、その皮疹は皮脂の分泌が多い顔・胸・背中に好発します。目に見えるニキビの初発症状は面ぽう(毛穴の出口が硬くなって、中に皮脂のかすがたまってできるブツブツ)です。炎症を伴わない皮疹である面ぽうから、炎症を伴う紅色丘疹、膿疱へ進展します。面ぽうは、通常目には見えない程小さい、組織変化の段階である微小面ぽうから進展していきます。面ぽうに炎症反応が加わってきた段階が紅色丘疹であり、さらに進展したのが膿疱といわれます。膿疱より炎症がさらに深くに進行していくと、嚢腫・結節となり、治癒後に瘢痕(=ニキビあと)を残すことになります。
ニキビの一番もとになる面ぽうは、2つの大きな因子が関係して生じます。1つは、皮脂腺からの脂の分泌が盛んになることです。これには、男性ホルモンなどの働きが大きく影響します。2つ目は、毛穴の出口が硬くなること(異常角化)で、これにはやはり、男性ホルモンや常在するアクネ桿菌が関係します。したがって、ニキビのできかたに関係するキーワードは、男性ホルモンとアクネ桿菌です。
思春期に多くみられるのは、ホルモンの影響が大きいと考えられます。顔を中心に、面ぽうをもとに紅色丘疹、膿疱が混在してみられます。普通のニキビを尋常性ざ瘡、膿疱が目立つものを膿疱性ざ瘡、しこりになってくるものを集簇(しゅうぞく)性ざ瘡や嚢腫(のうしゅ)性ざ瘡といいます。集族性ざ瘡や嚢腫性ざ瘡はあとが残りやすいニキビであり、治療が難しく、普通のニキビとは異なり、体質的に局所(特定の一部分)に膿をもちやすい慢性膿皮症という難治性の病気の1つとしても扱われます。また上記の他に、新生児に一時的にでるニキビを新生児ざ瘡といいます。これは自然の経過で治りますので、治療する必要はありません。副腎皮質ステロイド薬の副作用の1つに、ニキビがでやすくなることがあります。ステロイド薬内服、外用で生じるニキビのことをステロイドざ瘡と呼びます。

帯状疱疹

帯状疱疹は水ぼうそうのウィルスと同じ、水痘・帯状ウィルスが再び活性化することにより起こります。通常は生涯に一度しかかからず、日本では6~7人に1人がかかるものと推定されています。高齢の方がかかることが多い疾患であるため、今後社会の高齢化が進めば、帯状疱疹になる方はさらに増えると思われます。
初めての感染で水ぼうそうを発症した後、帯状疱疹ウィルスは知覚神経に沿って、顔面の三叉神経や、脊髄の神経、坐骨神経などの神経細胞に残ります。長い間は症状が無いまま過ぎますが、体の免疫能の低下をきっかけにして、潜伏していた帯状疱疹ウィルスが活性化します。きっかけとしては、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、重症な感染症、放射線や紫外線への曝露、免疫抑制剤や抗がん剤を使用した場合などがあげられます。活性化した帯状疱疹ウィルスは神経を伝わって皮膚へ出てきて、皮膚でウィルス粒子が増殖し、水疱を発生します。
帯状疱疹の症状には、皮膚と粘膜の症状と、神経痛があります。皮疹がでる前に、しばしば神経痛あるいは知覚の異常が、数日から1週間続きます。これは片側の神経分布領域に一致して起こります。その後同部に少し膨らんだ紅斑があらわれ、その中に小さな水疱がでます。発生する場所は、胸やお腹、背中など(肋間神経領域)が最も多く、ついで顔(三叉神経領域)に多いですが、全身のいずれの場所にも発症します

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