健康のためには「減塩」!塩分とりすぎると、なぜ身体に悪いの?
「減塩」という言葉が当たり前になってきましたが、減塩はなぜ身体に良いと言われているのでしょうか。塩分と身体の関係を知り、塩分と上手に付き合う方法を知りましょう。
もちろん身体には必要!「塩」の働きとは
「塩」は、ナトリウムと塩素の化合物で、体内では「ナトリウム」が必須ミネラルとしてさまざまな働きをしています。ナトリウムの働きはおもに4つ。体内の塩分濃度を調整する、酸・アルカリのバランスを調整する、神経伝達や筋肉の収縮・弛緩を助ける、栄養素の吸収を助けることです。塩は、汗や便、尿によって身体の外へ出ていきます。激しいスポーツなど汗をかくときや下痢をしているときなどは、適量に関わらず塩分補給も重要です。一方で、摂りすぎると身体にさまざまな影響を与えるのです。
「塩分」は少なすぎても、身体の不調を起こします。しかし、過度に汗をかくスポーツなどをしていない限り、1日3回食事をしていれば塩分不足を心配する必要はありません。むしろ過剰になりやすい栄養素と言えます。塩分を多く含む汁物や漬物、加工食品などは重ならないよう1食・1日で調節をしたり、麺類のつゆは1杯で3~4gにもなるため、残すようにすると塩分摂取を控えることができます。
また、いくら薄味であっても量が多ければ身体に入る塩分量は多くなるため、腹八分目を心がけることも大切です。食事に含まれる塩分を量ることは容易ではありません。できることを毎日・毎食で心がけ、塩分を上手にとり入れましょう。
塩を摂りすぎたときに起こる症状
摂取したナトリウムが過剰になり、ナトリウムの運び役のカリウムとのバランスが崩れると、カリウムの代わりに水分を取り込み、塩分濃度を薄めようとします。塩分濃度を薄めるために水を欲する指令が出て、のどが渇きます。また、血圧も上がります。血圧とは、血管の壁にかかる圧力のことです。塩分濃度を薄めるために水分が増え、血液量が増し、血圧が高くなります。
さらに溜め込んだ水分が細胞からあふれると、細胞周囲にたまり、「むくみ」となります。他にも慢性的な塩分の過剰摂取は、病気を発症させる可能性もあります。
塩の摂りすぎが影響する病気
高血圧症
塩分の過剰摂取は血圧を上げると解説しましたが、慢性的に血圧が上がった状態が続くと、高血圧症になります。そうすると、血管が傷み、突然の脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性も高まります。
不整脈・虚血性心疾患
心臓は、心臓の筋肉にナトリウムとカリウムによって起こる電気信号が伝わることで動いています。塩分の過剰摂取が続くと信号に異常が起こり、心臓の鼓動が不規則になります。これを不整脈と言います。
ひどい状態になると、心臓の筋肉への血流が悪くなり、酸素不足や栄養不足による虚血性心疾患を起こしてしまいます。虚血性心疾患とは、狭心症や心筋梗塞などを言います。
腎臓疾患
塩分の過剰摂取が続くと、ナトリウムを外に排出するために腎臓に通常以上に負担がかかります。負担がかかり続けると、徐々に機能が衰え、腎臓疾患の原因になる可能性が高まります。
胃がん
胃の中で塩分濃度が高まると粘膜が傷み、胃炎を起こしやすくなります。そうすると、発がん性物質の影響を受けやすくなり、胃がんになるリスクが高まると考えられています。
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