薬と「グレープフルーツ」の相性が良くないのは何故?
高血圧によいと言われる「グレープフルーツ」ですが、高血圧の薬とは相性が悪いんです。何故でしょう?
高血圧に効果的な「グレープフルーツ」
「グレープフルーツ」に豊富に含まれているカリウムには、高くなった血圧を下げて安定させる働きがあります。さらに糖の代謝を改善し、血糖値も安定させます。心臓や筋肉の働きも整えてくれます。果皮や袋・皮にある白いふわふわした部分には、ペクチンという食物繊維が豊富で、体内の余分な脂肪やコレステロールを排出したり、腸の働きを整えてくれます。このように「グレープフルーツ」には、血圧、血糖、コレステロールを安定させてくれる効果があるんです。
薬と「グレープフルーツ」は相性が悪い?
しかし、高血圧の薬を飲んでいる方は「グレープフルーツ」ジュースを飲めないという方がいますが何故でしょう。これはグレープフルーツと相性が悪い高血圧の薬があり、一般的にカルシウム拮抗薬と言います。
血圧を下げるお薬のうち、末梢の血管を拡げて血圧を低下させるカルシウム拮抗薬と「グレープフルーツ」を併用することで、血圧が下がりすぎてしまうことがあります。これは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という物質が、小腸上皮細胞にあるCYP3A4という代謝酵素を阻害することで、カルシウム拮抗薬の代謝が妨げられ、体内での薬の濃度が上がり、薬の効果が強くなってしまうことが原因です。主な症状としては、ふらふらしたり、胸がドキドキする、頭が痛くなるなどがあります。
この作用は数日間持続し、体内でのお薬の濃度が上がる状態が3~4日持続することが知られています。このため、カルシウム拮抗薬を服用している間は、「グレープフルーツ」は控えるようにしましょう。
ダメなのは「グレープフルーツ」だけ?
ここで「グレープフルーツ」があげられるのは、一番身近で馴染みが深く、皆様が一番食べる頻度が高い可能性がある果物だからで、実は同様の理由で、一般に食べてはいけないとされているものや、場合よっては大量摂取を控えるものがあります。
代表的なものでいうと、晩白柚、土佐ブンタン、平戸ブンタン、スウィーティー、サワーオレンジ(ダイダイ)、夏みかん、ポンカン、いよかん、絹皮、金柑、八朔 などです。これらをどうしても食べたいという方は一度、医師と相談してみると良いでしょう。
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