脱水症状は夏場によくみられ、進行すると熱中症となります。脱水症状は食欲不振、下痢など夏バテの症状と重なるものもありますが、放置すると重症となって命の危険もありますから、注意が必要です。

また、脱水症状は暑い環境でなくても起こります。たとえば、嘔吐・下痢によって体液を失ったときや腎障害などでは、体内の水分とミネラルバランスが崩れて脱水となり、さまざまな症状を起こします。

脱水症状による下痢の症状の特徴

脱水とは、水分・塩分が失われていて、補給も十分でない状態を指します。大きく3種類に分けることができ、水分不足による水欠乏性脱水、塩分不足によるナトリウム欠乏性脱水、両方が欠乏する混合性脱水があります。水分にはナトリウムなどの電解質が溶けているため、どちらか片方だけ失うことはなく、ある程度水もナトリウムも失います。さらに、体内の調節機構が水分とミネラルのバランスを保とうとして、不足した方の量に合わせてもう一方を排出するため、結局は混合性脱水となります。

水欠乏性脱水では、特に暑い環境で大量に汗をかく、水分を十分に摂らないことで脱水状態となり、下痢が起こるとされます。いわゆる熱中症の状態です。熱中症とは、高温の環境の中で起こる健康障害の総称を指します。下痢以外にも顔のほてり、のどの渇き、頭痛・めまいなどの症状が起こることもあります。

なお、下痢自体が脱水の原因となることがあります。これは、嘔吐と同様に体液を失って、体内のミネラルバランスが崩れるためです。なお、下痢による脱水はナトリウム欠乏性脱水に分類されます。

脱水症状で下痢が起きる理由

先ほど、高温の中で脱水症状が進むと熱中症となることについてふれました。熱中症では、体温を一定に保とうと調節機構が働いて発汗し、熱を放熱しようとするものの、体内の水分が不足して発汗による体温調節がうまく働かない状態にあります。

水分不足やミネラルバランスの崩れによって血液の循環が悪くなります。血液は赤血球によって全身に酸素を運んでいますが、血液の流れる量が十分でなければ脳や臓器などが酸欠となります。その結果、脳や臓器の機能が低下します。すると、胃腸の働きが悪くなり、消化管の活動を指示している自律神経が乱れ、下痢や吐き気といった症状につながります。

脱水症状による下痢の予防

下痢をはじめとする脱水症状は、起きてから対応するよりも未然に予防することが肝心と言えます。症状が出ていなくても、こまめに水分や塩分を補給することが求められます。暑い中で活動する場合は、休憩を頻繁にはさむ、冷たい飲料を持ち歩く、保冷剤や氷のうを体にあてるといったことが有効かもしれません。

補給の際には、水分だけだと脱水症状を悪化させるおそれがあります。市販の経口補水液のように、塩分やミネラルを含んでいて浸透圧が整えられたものが、吸収効率がよく適しています。スポーツドリンクでもかまいませんし、水や麦茶を飲むときに塩飴などで塩分を同時に摂るのも一つの方法です。もし、すでに下痢の場合は、これ以上脱水が悪化しないように水分・塩分補給をすることが必要となります。

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