「水毒(すいどく)」とは

東洋医学で「気・血・水(き・けつ・すい)」が体内をめぐることによって、体は正常に機能すると考えられています。気は元気の気(エネルギー)、血は血液、水は体液です。このうち、水が必要以上に体内に溜まることでカラダを悪化させることが「水毒」と言われます。代謝が悪かったり、冷え症の人は水毒になりやすい体質といえます。しかし、水毒は食生活をはじめとする生活習慣を見直すことで改善でき、水毒を改善することで、気と血のめぐりも相乗的によくなるそうです。

夏の水分の過剰摂取は要注意!なぜ「水毒」は起こるのか?

これからの季節、つい水分を過剰に摂取しがちです。蒸し暑い場所で運動や作業をする場合は、こまめな水分と塩分補給が必要ですが、一日中冷房の効いた室内にいることが多い現代人は、むしろ水分を摂り過ぎている場合もあるんです。人によって体温、代謝量、筋肉量、運動量が違うので、必要な水分量も違ってきます。「1日に何リットル飲まなければダメ!」と鵜呑みにせず、自分自身にあった量のむ水分を飲むようにしましょう。

また、水はカロリーゼロだから、いくら飲んでも太らないと思っている人が多くいますが、必要以上に水が体に溜まれば「水太り」するんです。体重の約6割は水なので、2~3日で体重が増えたような場合、原因は脂肪ではなく水分過多の場合が多々あるそうです。

加えて、運動不足や加齢で足腰の筋肉が衰えると、内臓の血流も悪くなるため、排せつを促す腎臓や膀胱の代謝機能も低下します。そのため、体内の余分な水を排出できなくなるという悪循環に陥り、冷えやむくみを引き起こします。女性は男性よりも筋肉が少ないので、水毒になる可能性が高いため気を付けましょう。

習慣を改善して「水毒」を防ごう!

「水毒」は、体を内側からも外側からも冷やさず、足腰の筋力をアップして発汗するという、日々のちょっとした習慣で改善することが出来ます。

体内の余分な水を排出するには、体を温める必要があります。東洋医学では、体を冷やす「陰性食品」と、体を温める「陽性食品」に分けて考えられているそうで、「陰性食品」は主に暑い土地原産で、夏が旬、色が薄く、水分が多くやわらかめの食べ物。例えば、バナナ、スイカ、レタス、キュウリ、白砂糖、バター、マヨネーズ、酢、白米、うどん、牛乳などです。例外的に、コーヒーやカレー、トマトは色が濃いけれど「陰性食品」だそうです。

「陽性食品」は、主に寒い土地原産で、冬が旬、色が濃く、水分が少なくかための食べ物。例えば、リンゴ、ゴボウ、ニンジン、ショウガ、海藻、赤身の肉・魚、黒砂糖、玄米、そば、紅茶、みそ、しょうゆ、天然塩、タバスコ、シナモンなどです。できるだけ「陽性食品」を多く摂る習慣をつけることが大切ですが、ムリしても長続きしないので、例えば「陰性食品」のコーヒーを飲むなら、「陽性食品」のシナモンを入れるとか、「陰性食品」のレタスやトマトのサラダを食べるなら、「陽性食品」の天然塩をかけて食べるなど、陰性に偏らない工夫が必要になります。

また「水毒」でお腹に水が溜まっている人は、お腹がひんやりしています。内臓が冷えると、代謝が悪くなってむくみやすくなります。冷えたお腹を手っ取り早く温めるには、腹巻をつけるのが一番です。夏に腹巻?と思われるかもしれませんが、夏は冷房の中で思いのほかお腹が冷えるので、室内にいるときは薄手の腹巻の着用もオススメなんです。

そして、下半身の筋肉の衰えは、体内に余分な水分を溜め込んでしまう原因になります。下半身の筋肉をつけるのに、いつでも簡単にできて効果的なのがスクワットです。足を肩幅ぐらいに開いて立ち、両手を頭の後ろに当て、お尻を突き出し、椅子にこしかけるような感じで腰を落とします。この体勢を7秒間キープしたら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。これを5~10回繰り返すことから始め、慣れてきたら体調と相談しながら回数を増やしていきましょう。スクワットで汗をかいた後、熱めのお風呂につかって汗をかけば、余分な水分もしっかり排出できます。

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