急性期と慢性期!2タイプある「四十肩」の対処と予防法
40代以降に発症することが多い「四十肩」。「五十肩」といい、突然痛みが発生する急性期と、肩の動きが制限される慢性期があり、多くの方が苦しんでいます。
「四十肩」とは
「四十肩」は肩関節周辺の組織に変性が起こり、生じた炎症によって痛みが起こる「肩関節周囲炎」のことで、40代以降に発症することが多く、「五十肩」ともいいます。突然痛みが発生する急性期と、肩の動きが制限される慢性期があります。半年から1年半ほどで自然に痛みが軽くなり、肩が動かせるようになります。
やはり「四十肩」は加齢が原因?
年齢とともに、肩の部分にある関節を覆う膜や骨同士を結びつける靱帯の柔軟性が低下することで起こると考えられています。また、上腕部の筋肉と骨をつなぐ腱板(けんばん)が加齢にともない変性し、炎症を起こすことも原因となります。
「四十肩」の症状は2タイプ!
一つ目は突然激しい痛みがあらわれる「急性期」タイプ。ある日突然、腕を動かしたときに肩に鋭い痛みが発生するのが四十肩・五十肩の典型的な発症パターンです。ほとんどが片側の肩のみに症状があらわれます。その後、肩を動かすときに、痛みが二の腕や手先に伝わるようになります。しびれをともなうこともあり、眠れないほどの痛みが生じることも少なくありません。これは肩関節の炎症によるもので、急激な痛みは、数日間で治まります。
2つ目は肩を動かせる範囲が制限される「慢性期」タイプです。急性期の痛みが治まるとともに、鋭い痛みから鈍い痛みへと変化し、肩を動かせる範囲がだんだん狭くなっていくことがあります。とくに肩を上げたり、後ろに回す動きが困難になります。これを拘縮といいます。痛みのために、肩の筋肉を動かさないでいると、組織の癒着が起こり、さらに動かなくなって治癒が長引きます。
「四十肩」の対処と予防法
対処法として「急性期」には、無理して肩を動かさないようにしましょう。重い荷物を持ったり、運動をするなど、痛みをともなう動作は避けるようにしましょう。発病4~5日後からの慢性期への移行期間と、その後の「慢性期」は逆に、日常動作を積極的に行うようにしましょう。
「慢性期」では、振り子運動が有効です。痛くないほうの手で机にもたれかかり、ペットボトルやアイロンなど500gから1kgくらいの重さのものを痛い方の手で持って腰をかがめて前後、左右にゆっくり振ります。手に持ったものの重みで、肩の周りの腱が伸びて楽になります。
日常生活での予防法としては、①肩をすくめて戻す、②両腕を前からまっすぐ上げて耳の横につけておろす、③右腕を胸に引き寄せ右ひじをアゴの前辺りで左手で押さえる、同じように逆も行う、④肩を前に10回、後ろに10回まわす――といった運動で、普段から肩のストレッチを行うようにしましょう。
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