コレステロールが高い人でも、1日に必要な量のたんぱく質はしっかり摂らなくてはいけません。ただし、摂りすぎは禁物です。では、どのくらいの量ならいいのでしょうか。

1日の摂取カロリーの目安量を決めてしまおう

バランスのとれた食事をしながらダイエットを心がければ、同時にコレステロール値も少なくなっていきます。そこでまず大切なのが、1日の摂取カロリーです。

1日の摂取カロリーの目安
= 標準体重{(身長-100)×0.9}× 25 ~ 30kcal

例えば身長170cmの場合、
{(170-100)×0.9}×25~30kcal=1,575~1,890kcal

つまり、約1,600kcal~1,900kcalになる。

身長150cm以下の人は0.9をかけなくてもよい。従って、

(150-100)×25~30kcal=1,250~1,500kcal

1,600kcalをとるか1,900kcalをとるかは、日頃どのくらい体を動かしているかで決めるのが一般的です。デスクワーク中心で通勤時間も短いという人なら低い方の値になります。ただし、突然大幅な食事制限に挑戦すると挫折してしまうことも多いため、最初は無理のないところから少しずつ試してみましょう。

コレステロールを多く含む食べ物に注意

当然ながら、コレステロールを多く含む食品には注意が必要です。次の表のように、コレステロールは主に卵や魚肉類(特に内臓)の脂肪に含まれています。
コレステロール値の高い人は、1日に摂る量を300mg以下に抑えたいところです。それなら卵を食べなければよさそうですが、卵は良質のたんぱく質やビタミンA、B2が豊富に含まれる食品。1日に小さめのM玉1個くらいは食べたいものです。どうしても量が気になるなら、うずらの卵(5~6個で鶏卵1個分)で調節することをおすすめします。

そのほかの食生活の工夫

摂取エネルギーを減らすためにまず見直さなくてはならないのは、肉類、油脂類、糖類(ごはんなどの穀類やお菓子ジュースなど)の摂りすぎです。食べる量を少なくするのはもちろん、同じ肉類でも赤身の部分を多く食べるようにするなど、質の改善も必要です。油脂類については、バター、マーガリン、ドレッシング、マヨネーズなど調味料を控えることを考えましょう。特に間食やジュースなど、決めた以上に摂らないことが大切です。

野菜、特に食物繊維の多い食品をたくさん摂る
野菜に含まれるビタミンやミネラルは、体の代謝を活発にするなどの重要な役目を担っています。また、血管の老化を防ぐなど、動脈硬化の予防にもつながる栄養素です。
海藻類やきのこ、乾物などに多く含まれる食物繊維は、生活習慣予防のために注目されています。腸内でコレステロールや中性脂肪、糖質を吸着して一緒に排せつさせてしまうはたらきもあります。
1日に食べたい野菜の量は300g。淡色野菜・緑黄色野菜・食物繊維が多い野菜…とバランスよく食べるようにしましょう。

1週に3~4回は魚類のメニューにする
同じ脂肪でも、魚類に含まれる脂肪は善玉コレステロール(HDL)を増やすはたらきがあります。このほか、オリーブオイルなどに含まれているオレイン酸に、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすはたらきがあるとして注目されています。

豆製品を見直してたんぱく質をしっかりとる
腎臓の機能に障害がない限り、たんぱく質をむやみに避ける必要はありません。例えば肉や魚の動物性たんぱく質なら、男性120g、女性100gぐらいが1日の目安です。といっても、これまでの食生活から考えると「これは少ない」と思う人が大部分でしょう。足りない分は豆腐などの大豆製品で補いましょう。大豆製品に含まれるたんぱく質は良質であるだけでなく、コレステロールを下げるはたらきがあることも確認されています。

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