「夕方になると脚がむくむ人」「いつになってもむくみが消えない人」、むくみにも短時間で治まるものと病的なものがある。実は、むくみやすい人は日常生活で自ら、むくみやすい状況を作っている。もしかしたら、治まらないむくみは、重大な病気のサインかもしれない。たかが「むくみ」、されど「むくみ」。むくみの原因と症状を知って、自分なりの改善策を考えてほしい。

メカニズム

立ち仕事や座り仕事で、夕方になると脚がむくむという人もけっこう多いのでは?
翌朝になってもむくみが消えない、あるいはこれといった原因も心当たりがないのに、何日もむくみがとれない場合は要注意。むくみには、思わぬ病気が隠れていることもあるのだ。

むくみが起こるメカニズム
むくみとは、体内の組織など血管の外に、余分な水分(血しょう成分)がたまった状態のこと。血しょう成分とは血液の液体部分で、血液が運んできた栄養分や酸素を、腎臓や肺などの組織に運んでいる。役割を果たした血しょう成分は、通常は血液に戻る。ところが、何らかの原因で組織液が血管に戻らず過剰にたまると、むくみとなるのだ。

その原因のひとつは、人間の体の構造的な問題といえるかもしれない。というのは、人間が、4本足から2本足で立って歩くようになった動物だからだ。下半身が心臓から遠くなったことで、汚れた血液を心臓に送り返して浄化させる静脈の負担が大きくなってしまい、その結果、血行が悪くなりやすく、むくみを生じやすい構造になっている。

指で押してみよう!

むくみには、大きく分けて「一時的なもの」と「病気などが原因のもの」の2種類がある。
接客などの立ち仕事、1日中デスクでパソコンに向かう座り仕事、いずれも1日中同じ姿勢を続ける人が、脚のむくみに悩まされることが多いのは、1日中駆使した筋肉が疲れ、汚れた血液を心臓に戻す力が弱くなるからである。これらのむくみは解消法も比較的たやすい。

問題は、病気が原因の場合だ。むくみが症状となって現れる病気は案外多い。むくんでいる部分を押しても元に戻らない、疲れがいつまでも取れない、めまいや湿疹、発熱、しびれなど、単なる疲労以上の症状が感じられる人は、一度医師の診察を受けてみることをおすすめする。

ふだんのむくみ対策

病気が原因の場合は、医師の診断のもと適切な治療で治すしかないが、健康な大人の、疲労が原因のむくみの場合には、自分なりの対処法がある。

立ち仕事、座り仕事によるむくみ
電子レンジを使ってカンタン蒸しタオル
電子レンジを使ってカンタン蒸しタオル
1日中同じ姿勢を続ける仕事をしている人は、体の同じところばかりを使うことで筋肉疲労が起こりやすくなる。また、長い間じっとしていると血行不良も起こしやすい。ときどき姿勢を変えたり、合間を見て伸びをしたり軽いストレッチをするなど、できるだけ体を動かして筋肉の緊張をほどく工夫をしよう。
帰宅後は、温かいお風呂にゆっくりつかるのがよい。足のむくみなら、お湯をバケツなどに入れ、足だけ温めてやるのもよい。顔のむくみなども、よくマッサージしたり、熱いタオルを顔に当てるなどして血行をよくすることがむくみ解消につながる。

女性のむくみ
女性は、もともと冷えやすく血行が悪くなりやすいため、むくみやすいといえる。生理前や妊娠、更年期にもむくむことがある。時期を過ぎれば自然に戻る場合は問題なし。ただし、ダイエットなどで栄養バランスを崩している場合は要注意だ。

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