ゆっくり食べると摂取カロリーが減る

食事速度と減量の関係を調べた過去の研究の多くは、BMIが25未満の普通体型の人を対象にしていました。そこで、アメリカ・テキサスクリスチャン大学の研究チームは、普通体型の成人男女35人と肥満体型の成人男女35人を対象に研究を行いました。研究は2日にわたって昼食時に行われ、参加者たちは管理された環境のもと、どちらか1日は昼食を速く食べ、もう1日はゆっくり食べました。どちらの場合も、食事は満腹になるまで好きなだけ食べてよいという条件で、野菜パスタと水が提供されました。

「速く食べる」実験では、参加者の食べるスピードを上げるため、時間に制約があると思って素早く大口で食べ、スプーンを置いたり間を空けたりせずに食べるよう指示しました。一方、「ゆっくり食べる」実験では、時間の制約は気にせず、少量ずつよく噛んで食べ、食べる最中に間をとったり、スプーンを置いたりして時間をかけるよう指示しました。

その結果、普通体型の人では、ゆっくり食べた場合の摂取カロリーが速く食べた場合よりも88キロカロリー減った一方、肥満体型の人では58キロカロリーしか減らなかったということがわかりました。肥満体型の人で摂取カロリーが減りにくかった理由として、研究者は、「実験はほかの人と一緒に行ったため、肥満体型の人では人目を気にして、食べる量が少なくなったからかもしれない」と指摘しています。

ゆっくり食べると食後の空腹感が少ない

摂取カロリーのほか、食事を開始してから60分後の空腹感を調べたところ、どちらの体型でも、ゆっくり食べた場合のほうが速く食べた場合よりも空腹感が少ないという結果になりました。また、食事中に飲んだ水の量も、両方の体型で、ゆっくり食べた場合のほうが多いことがわかりました。

ゆっくり食べた場合では、水の摂取量が増えたことで胃が膨らみ、食べる量が減った可能性が考えられます。

ゆっくり食べることにメリットがある

研究論文では、逆に水の摂取量を増やしても食事の速さが変わるわけではないため、ゆっくり食べると摂取カロリーが減るという結果には、水の摂取量以外のメカニズムが関係していると指摘しており、その一つとして、食べ物が口の中に長くとどまることで味覚の刺激が増強され、食べ物の摂取量が減ることが関係しているのではないかと述べられています。

ゆっくり食事をすることで摂取カロリーが減り、食後の空腹感も抑えられることから、ダイエット中はゆっくり食べることを意識するのがよさそうです。

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