筋肉をつけることで、基礎代謝が上がると言いますが、そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか。

エネルギー消費の種類

毎日、食事でとり入れた栄養素を活動するためのエネルギーにする。この消費システムが「代謝」です。

代謝には、運動によるものと、家事などの日常生活活動が該当する非運動性身体活動によるものがあります。総エネルギー消費量は大きく分けると「基礎代謝量」「食事誘発性熱産」「身体活動量」の3つで構成されています。

そのうち、基礎代謝量は主に年齢・性別・体重に依存します。つまり、若く体が大きい人ほど基礎代謝量が多くなるというわけです。

基礎代謝量とは

安静にしているときでも消費される必要最小限のエネルギー代謝量を「基礎代謝量」と言います。じっとしていても呼吸や体温調節、心臓などの内臓も動いています。そのような生命維持のための活動にエネルギーが使われています。

基礎代謝量は年齢によって違ってきます。一般的には、10代をピークに加齢とともに低下していきます。これは、筋肉量の減少が主な原因と考えられています。

体の中でも特に、手や足などの骨格肉・心臓・脳がエネルギーを多く使う場所です。それぞれ全エネルギーの約2割ずつを消費しているといわれています。ですから、必然的に、筋肉が少ないと基礎代謝量は低くなってしまうわけです。

筋肉が増えると基礎代謝量が増える

筋肉が少ないほど基礎代謝が低くなるということは、逆に筋肉が増えれば基礎代謝も増えることにもなります。

そもそも基礎代謝が高い人は、消費が活発。食べても太りにくく余分なものを排出しやすい体と言えます。一方、基礎代謝が低い人は、太りやすくやせにくい、体に余分なものをため込みやすい体です。体温が低く、冷えやむくみがある、汗をかきにくい、疲れやすいなど、思い当たる人は基礎代謝が低いと言えるでしょう。運動不足で太っている人は、筋肉量が少なく基礎代謝が低下しています。

運動を続けることも基礎代謝を高める効果に

基礎代謝を効果的に高めるには、まず、日常生活の中で積極的に体を動かすこと。エスカレーターを使わず階段を昇る、一駅歩いて目的地に行くなど、できることから始めてみてください。

さらに、ウォーキングや水泳などの有酸素運動もおすすめです。基礎代謝が増えることで、運動しないときのエネルギー消費も増えますので、減量のあとのリバウンドも起こりにくくなります。

ウォーキングやジョギングのように、体の中でも一番大きな筋肉である太股周りを積極的に使う有酸素運動は、効果的に筋肉を増やしてくれます。筋肉が増えれば、基礎代謝もアップ。太りにくく、やせやすい体を目指すには、生活の中に有酸素運動をうまく取り入れてあげることが大切です。

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