サッカーのゾーンディフェンスとは
サッカーの守備戦術「ゾーンディフェンス」についてご紹介します。
ゾーンディフェンスとは
ゾーンディフェンスとは、ボールの位置と味方のポジションに合わせて、スペースを埋めるという守備戦術を意味する用語です。
守備の際、ピッチを各ゾーンに分け、選手がそれぞれのゾーンを担当。自分のゾーンに入ってきた相手選手をマークします。ゆえに、基本的にフォーメーション(陣形)は崩さず、ボールの動きに合わせてチーム全体で動きます。ちなみに、日本では「ゾーンプレス」とも呼ばれます。
ゾーンディフェンスの対称として、「マンツーマンディフェンス」があります。マンツーマンディフェンスは、特定の相手選手をマークする守備の戦術です。そのため、陣形を整えてチーム全体で守るというよりは、まずは個人個人が自分のマークにやられないようにしよう、ということです。
ゾーンディフェンスはそれぞれが自分の担当するエリアを持つ形で守り、マンツーマンディフェンスは相手を1対1でマークして守るという点で異なります。それぞれの戦術に良さがあるので、どちらを採用するかは監督次第です。
ゾーンディフェンスの種類
ディアゴナーレ
ディアゴナーレとは、ボール持っている選手(ボールホルダー)に1人が寄せてプレッシャーをかけ、寄せることで生まれたスペースを味方選手が埋めるという動きのことです。別名「チャレンジ&カバー」。
1人目がボールを奪おう、相手に自由にさせないようにしようと「チャレンジ」し、2人目がサポート役として「カバー」します。
ディアゴナーレの目的は、1人目の選手がかわされてしまった場合のカバーリングという手助けと、スペースを埋めることによるパスコースの限定です。スペースを守るゾーンディフェンスにおいては、必ず行わなければならない鉄則であると言えます。
スカラトゥーラ
スカラトゥーラとは、簡単に言えばディアゴナーレの連鎖で、別名「スライド」。
1人目がボールに対してチャレンジし、2人目がディアゴナーレでカバーします。2人目の選手が動いた後のスペースは3人目の選手が埋めます。そして、3人目の選手のカバーを4人目が、4人目の選手のカバーを5人目がします。これを瞬時に連続的に行うことで、味方選手との距離が保たれたまま、チーム全体でスライドすることになるのです。
スライドする際は、ボールと自陣ゴールを結んだ直線上に集結するのが基本です。
ゾーンディフェンスのメリット
①穴ができにくい
チーム全員がスペースを埋めるように動くため、チーム全体のバランスを保ちやすく、選手が偏ってスペースを使われることが少ないです。
②個人に頼りすぎない
1人がかわされてしまっても、ディアゴナーレやスライドによってカバーができているため、チーム全体で補うことができます。
③スタミナの消費が少ない
マンツーマンディフェンスのように、相手の動きに合わせて走り回る必要がないので、走行距離を抑えることができ、終盤まで体力を保てることも長所です。
ゾーンディフェンスのデメリット
①戦術理解が困難
ゾーンディフェンスにおいては、スペースを埋めるためのポジショニングが非常に重要となるので、チーム全員の細かな戦術理解が不可欠です。
さらに、意思疎通を図るための練習が必要であり、味方といかにコミュニケーションを取るかがコツだと言えます。
②連携が取れないと隙を与えてしまう
相手選手がゾーン間を移動した際に、味方選手とうまくコミュニケーションが取れずマークの受け渡しができないと、チームのバランスが崩れ、隙ができてしまうという弱点があります。
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