牛乳を飲むとお腹を壊すのはなぜ?

牛乳を飲んでお腹を壊すのは、牛乳中の糖質である“乳糖”を消化する酵素である“ラクターゼ”が少ないか、その働きが弱いためだそうです。また、特に激しい下痢を起こす症状を“乳糖不耐症”といいます。

“乳糖”は哺乳類の乳に多く含まれており、乳幼児期は乳糖分解酵素の働きが活発なのですが、大人になるにつれて弱くなる人がいます。乳糖はラクターゼにより、小腸でぶどう糖(グルコース)とガラクトースに分解され、そこで吸収されてエネルギー源として役立ちます。ところが、乳糖が分解されずに大腸に運ばれると、腸内細菌が乳糖を分解してガスを出し腸を圧迫したり、多量の水分が一気に大腸に送られ下痢につながるそうです。

ちなみに、この症状だと牛乳中の栄養が吸収されない感じがしますが、カルシウムなどの栄養はその前に小腸できちんと吸収されているそうです。

お腹を壊さないようにするためには

お腹がいたくなるのであれば避けるべきですが、牛乳にはカルシウムなどの栄養が豊富ですし、なるべく摂取したいもの。そんなときどんな対処法があるのでしょうか?

冷たい牛乳を避ける!

牛乳に限らず、冷たい飲みものを一気に飲むと、腸を刺激しておなかがゆるくなりがちです。ただ、牛乳を飲むとお腹を壊す人でも、温めた牛乳であれば、お腹を壊さない場合があるそうです。

これは、冷たいものを飲むと、消化機能が低下しますが、牛乳が温かいことで血行がよくなり、冷たい場合に比べて乳糖分解酵素のラクターゼを分泌する能力が高くなることが考えられています。腸の働きが増すことで、乳糖を消化できるようになるということですね。

ホットミルクだけでなく、コーヒーや紅茶にまぜたり、ココアにするのもオススメですね。

牛乳ではなく、他の乳製品にしてみる。

たとえば、ヨーグルトであれば、乳酸菌の発酵によって牛乳に比べると乳糖の量が少ないそうです。さらに食べるタイプのプレーンヨーグルトであれば、牛乳に比べて粘度があり、胃腸を通るスピードが牛乳に比べると遅いので、乳糖分解酵素の分泌を受けやすいと考えられます。

また、チーズは製造過程で乳糖の大部分がホエー(乳清)に移行して取り除かれているので、乳糖不耐が起こりにくい食品なんです。こういった他の乳製品で慣らしていけば、耐性がついてきます。

毎日習慣づける!

上記のように他の乳製品で慣らしていくなどして、習慣づけるようにしましょう。料理に加えたりするのもいいですね。牛乳が苦手な人も摂りやすく、料理にもコクが出て美味しさが増します。乳糖はショ糖の16%程度のほのかな甘さがあるのも特徴です。

乳糖は消化に時間のかかる難消化性オリゴ糖の一種であり、腸内細菌フローラに影響します。毎日飲み続けることで、乳糖分解性の腸内細菌が増加して腸内環境が改善され、乳糖の分解や代謝を増進できることが期待できます。

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