自律神経と冷えとの関係

自律神経は末梢神経のひとつで、自分の意思とは関係なく働くことから自律神経と呼ばれており、胃や腸の働きや心臓の拍動、代謝や体温の調節など、人間が生命を保つうえで、欠かせない働きを担っている。

そんな自律神経は目覚めているとき、興奮しているときに優位になる“交感神経(お目覚めモード)”と、眠っているときやリラックスしているときに優位になる神経“副交感神経(リラックスモード)”で構成される。

一方、血管は交感神経が優位のときに収縮し、副交感神経優位のときに弛緩するという性質を持つ。
人間は1日の中で両者の働きをバランスよく切り替えることで、全身の「血めぐり」が良くなり、体温を正常に保つことができるのだ。

しかし、極端な寒波や猛暑などの異常気象により、交感神経と副交感神経のどちらかが大幅に優位な状態になると、血めぐりは悪くなってしまう。血液は、必要な栄養素を運んだり、老廃物を掃き出したりする働きをすると同時に、全身に熱を運ぶ役目を担っているため、血めぐりが悪くなれば、身体が冷え、“冷え性(冷え症)”に陥る可能性がある

交副リズムを整えるポイントとは?

大幅な気象変動が原因で自律神経のバランスが乱れることで起きる「乱天候冷え」。その改善には、血管は収縮しすぎず、同時に弛緩しすぎないという中程度の状態を保つことが最善となる。

そこで、日ごろから血めぐりをよくして、1日の生活の中で、交感神経と副交感神経のバランスを整える、すなわち“交副リズム”を整え、適度な緊張とリラックスというバランスの取れた状態にすることが大切。その具体的な方策は次のとおり

すぐに実践できる3STEPの自律神経ケア

STEP1 朝の自律神経ケア…「適度な運動」
朝は副交感神経が優位な状態からお目覚めモードにするためにウォーキング、駅はエレベータではなく階段を使い、血めぐりをよくしたい。
適度な運動は筋力アップにもなり、代謝も上がって身体を温めてくれる。

STEP2 昼の自律神経ケア…「目もと温め」
会社での仕事が始まると、パソコン作業などで目が疲れたり、ストレスが原因で交感神経が優位になり“冷え”に陥りがち。眼球をコントロールする神経は、副交感神経であるため、昼休みに市販の蒸気が出るアイマスクなどを使用して目を温めると、そのスイッチが入って血管を開くため、身体がリラックスモードになり温まる。

STEP3 夜の自律神経ケア…「お風呂と首もと温め」
夜は、日中交感神経が優位になってしまった身体をリラックスさせ、副交感神経を優位にするようなケアが大切で。お風呂は副交感神経を優位にしてくれる最適な血めぐりケアでもある。
炭酸ガス入浴剤は、体表面を温め、拡張した血管に流れる血液を温めてくれる。温まった血液が、体全体に循環し、身体の深部まで温めることができるため、温かさが持続するのだ。

また、首もとは温かさを感じるポイントが集まっている部位。首もとを温めれば全身の血めぐりがよくなるので、手足まですばやく温まる。その結果、放熱が促され、身体の深部温度が下がるため、入眠しやすくなる効果も期待できる

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