人間の腸内は細菌だらけ!

人間の腸には大腸と小腸がありますが、働きはまったく違います。小腸は食べたものを消化吸収する臓器で、大腸は栄養を吸収したあとの残りカスから大便を形成する臓器になります。その人間の腸内には、体内に棲む細菌のうち約9割が棲みついているといわれ、その数はおよそ100兆から~1000兆個。種類は約1,000種類、重さにして約1キログラムから2キログラムにもなると言われています。ちなみに人間の細胞は約60兆個といわれているので、自分の細胞よりもはるかに多い細菌がいることになります。

大腸に棲む細菌を「腸内細菌」といいます。通常、細菌やウイルスなどの異物は免疫システムにより体内から排除されるのですが、免疫寛容という仕組みによって排除されないものがあり、この仕組みによって腸内での共存が可能な細菌が、腸内細菌になります。

腸内の金の塊はお花畑(フローラ)の様なんです!

腸内に棲んでいる細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いているそうで、この状態が品種ごとに並んで咲く花畑(flora)の様にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになったそうです。正式には「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。

ところで、腸では、毎日のように善玉菌と悪玉菌の縄張り争いが起こり、腸内フローラのバランスが変わっているそうです。この争いは出生時から始まり、離乳期、青年期、老年期と、経年的にその様相は変化しています。例えば、乳児期には100億個以上あったビフィズス菌(善玉菌)は、50~60歳ごろには100分の1、1億個ほどに激減しているそうです。これは老化による自然現象です。

しかし、年齢と関係なく腸内フローラのバランスが崩れてしまうこともあり、この理由の一つとして問題となっているのが、高脂肪の食生活です。腸内環境は食べたものに大きく左右されるため、腸内フローラをよいバランスで維持するためには、栄養バランスのとれた食事が大切です。また食事だけではなく、適度な運動は腸内フローラが活性化するといわれています。

「腸内フローラ」のベストなバランスとは

腸内フローラを形成している菌は、働きによって3つに分けられていて、1つめは私たちの身体を守る善玉菌、2つめが増えすぎると身体に悪影響がある悪玉菌、そして3つめは状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする日和見菌です。

この細菌にはベストなバランスがあり、「善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7」なんだそうです。腸内細菌の7割を占める日和見菌は、善玉菌が優勢な状態であれば善玉菌につき、腸内で発酵活動を行います。しかし、腸内で悪玉菌が優勢となれば、悪玉菌につき、腐敗活動を行ってしまうのです。腸内を酸性に維持するためには、腸内環境をコントロールして、日和見菌を善玉菌の味方につける事が大事なんです。

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