食事中に汗をかくのは身体からの危険信号?!
食事をすると「汗」をかくという方は多いと思います。熱いものや、辛いものや酸味のつよいものを食べた時に汗が出るのは正常ですが、もし何を食べても汗が大量に出るという人は体の不調が原因かもしれません。
「汗」が出る原因と仕組み
「汗」の出る原因は3種類に分けられ、最も重要なのが、体温調節のための発汗になります。激しい運動の後や入浴後、暑い時に全身から出るような汗で、これを「温熱性発汗」と言います。2つ目は、緊張や不安など、精神的要因による「精神性発汗」で、これは体温の調節とは関係なく出る汗で、手や顔など、局所的に発汗することが多いです。3つ目が「味覚性発汗」と言われるもので、わさびや唐辛子などの刺激物を食べた時に出る汗です。
「汗」が出る仕組みは、脳の視床下部という所が体温調節の判断をして、脳下垂体を経由し自律神経の交感神経を刺激して、汗腺に発汗指令を伝えます。原因が何であれ、最終的に汗腺に発汗指令を伝えるのは、交感神経節末端から分泌されるアセチルコリンという神経伝達物質になります。
健康的な証拠?身体の不調のサイン?!
一般的に、食事中に汗をかく人は太りにくいと言われます。そういった人は食事誘発熱産生(DIT)の働きが高い、筋肉質である、運動を定期的にしているようです。消化器が活発に活動して栄養をきちんと分解できる人、さらに運動により筋肉がついている人は基礎代謝との相乗効果で汗をかきやすくなります。これは健康的な理由ですね。
ですが、もし運動習慣や筋肉量に変化がないのに急に汗をかくようになった場合は、病気や体の不調のサインである可能性がありますので、注意が必要です。
糖尿病の初期症状?胃腸が弱っている?
糖尿病の初期症状と考えられる場合もあります。糖尿病には主に三つの代表的な合併症があります。眼の合併症(網膜症)、腎臓の合併症(腎症)、神経の合併症(神経障害)で、とりわけ神経障害が起こると、自律神経(交感神経、副交感神経)のバランスに乱れが生じて、異常な発汗に悩まされる場合があります。自律神経は発汗や体温の調節を司っているからです。熱いものや辛いものではないのに顔や頭や胸に汗をかく場合、糖尿病の初期症状かもしれません。 体重が落ちた、尿が多くなった、のどがかわく、手足がしびれる、甘いものがほしくなるなどの症状があるならば、自律神経の乱れによるもののため、自己判断はせず医師の診察をうけるようにしましょう。
糖尿病ではない場合も、胃腸が弱っていることで頭から首にかけて汗をかくこともあります。首にかく汗は、腎臓が弱り体内の解毒作用がうまく働いていない証拠ですし、頭に汗をかく場合は、お腹が冷えている可能性が考えられます。発汗のほかに食欲の減退、下痢か便秘、だるさなどの症状がある場合は、内臓を休めるよう食事内容やストレスに気をつけましょう。分解に負担のかかるお肉やお酒を控え胃腸を休める、サプリなども食品とは違い負担になることがあるのでいったん控える、スープや温かい飲み物で内臓を温める、などを心がけたいですね。
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