かぼちゃとは
かぼちゃは体内でビタミンAとなるカロテンが多く、果肉の黄色が濃いほど豊富です。また、ビタミンC、たん白質、食物繊維、ミネラル(特にカリウム)を豊富に含み、栄養価が高い緑黄色野菜です。「冬至カボチャ」といわれるように、野菜の中でも保存性がよいことから、貯蔵しておき、ビタミン源の少ない冬にも食べたいものです。
カボチャには日本種、西洋種、ペポ種の3種があります。日本種は昔から栽培されていたため、地方品種が多くあります。果肉は粘質です。これに対して、西洋種の肉質は粉質で、果皮の色は黒緑色、白皮、赤皮などがあります。未熟果をサラダや漬物に利用する新しい品種も人気です。ペポ種には若どり用のツルなしカボチャや、外観が色とりどりのものがあり、栽培する楽しみがあります。
歴史とは
日本かぼちゃ」は16世紀中頃(1541~1550年)にカンボジアに寄港したポルトガル船によって豊後(大分県)にもたらされました。その際「カンボジア」がなまって「かぼちゃ」という名前になったといわれています。なお日本かぼちゃの原産地は中央アメリカから南アメリカ北部の熱帯地方とされています。
現在、主流となっている「西洋かぼちゃ」は、原産地が中央アメリカから南アメリカの高原地帯で、日本へは19世紀中頃にアメリカから伝わったといわれています。栽培が本格的に始まったのは明治時代になってからで、東北や北海道などで生産が増えていきました。
「ペポかぼちゃ」は北アメリカ南部が原産地で、西洋かぼちゃより少し遅れて日本に入ってきました。
栄養や効果とは
β カロテン
実が黄色いかぼちゃは、体内でビタミンAに代わるβ カロテンを豊富に含む。かぼちゃを食べると風邪をひかないといわれるのは、粘膜や皮膚の抵抗力を高めるビタミンA の働きによるもの。近年では生活習慣病やがん予防にも効果があると言われており、注目の栄養素だ。西洋かぼちゃは、日本かぼちゃの5倍程度ものβカロテンが含まれている。
食物繊維
特に皮の部分に多く含まれている食物繊維。消化酵素では消化されずに腸まで届き、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があるようだ。便秘を防止するデトックス効果、また、消化に時間がかかるので満腹感が持続しダイエットにも効果があるといわれている。
ビタミン類
豊富な各種ビタミンのうち、特に日本人の食事には不足しがちで、疲労回復に役立つといわれるビタミンB1や口内炎を予防するといわれるビタミンB2、コラーゲンの生成に欠かせないとされるビタミンC、血行を促進する働きのあるビタミンEなど、大切なビタミンがバランスよく含まれている。いずれも、西洋かぼちゃのほうが含有量が多い。
リグナン
ポリフェノールの一種でかぼちゃの種に含まれているリグナンは、大豆のイソフラボンなどと同様に、薄毛の原因となる物質の生成を阻害する働きがあり、育毛に効果的で健康な髪を保つ働きをするといわれている。
かぼちゃの種には、他にもタンパク質やカルシウム、ビタミンB群、鉄分まで含む。ワタは食物繊維のかたまりで、カロテン、ビタミンKも多く含まれている。