はじめに

低体温症と聞くとみなさんはどんな事を思い浮かべますか?
冬山で登山やスノーボードやスキーを行なっていて、遭難して体温が奪われてしまって低体温症を起こす事も考えられますね。
そんな低体温症とはどんな症状なのでしょうか?
今回は低体温症の症状や原因について少しですが紹介したいと思います。

低体温症

低体温症は、寒冷な環境にさらされることによって発生したり悪化したりするため、寒冷障害と呼ばれることもあります。

・非常に寒い環境に身を置く、特定の病気がある、動くことができない状況にあるなどの条件や、これらの条件が重なった場合、体温は必要な水準以下にまで下がる可能性があります。

・最初はふるえが起こりますが、その後、錯乱状態となり、意識を失います。

・体温が下がりきってしまう前に、体を温めて濡れた衣類を乾かすことができれば、回復します。

・体温が低くなりすぎたら、温めた酸素の吸入や、温めた液体の静脈内投与またはカテーテル経由での膀胱、胃、腹腔、胸腔への投与などを行って、体を温めます。また、体の外側からも熱を与えます。

米国では低体温症によって年間約600人が死亡しています。また、心疾患、血管疾患、神経疾患がある人では低体温症によって死亡のリスクが高まります。

症状

初期の症状には、体が激しくふるえる(シバリング)、歯がカチカチ鳴るなどがあります。体温がさらに低下すると以下のような症状がみられます。

◆ふるえ(シバリング)が止まる。

◆動作が遅く、ぎこちなくなる。

◆反応までの時間が長くなる。

◆思考がぼんやりする。

◆判断力が損なわれる。

これらの症状は極めてゆっくり現れるため、本人も周囲の人も、何が起こっているのかなかなか気がつきません。転んだり、ふらふらとさまよったり、休もうとして横になったりすることもあります。

ふるえ(シバリング)が止まったら、動作がますます鈍くなり、昏睡状態に陥ります。心拍や呼吸が遅く弱くなります。心拍と呼吸が非常に遅くなると、たとえ心臓が非常にゆっくりと拍動していたとしても、患者には生存の徴候(心拍動や呼吸努力がみられない)がないようにみえることがあります。最終的には心臓が停止します。

体温が低くなるほど、死亡のリスクは増大します。体温が31℃を下回ると死に至るおそれがありますが、死亡例の大半は体温が28℃を下回った場合です。

原因

「低体温」は身体から出ていく熱量の方が体内で産生される熱量よりも多い場合に起こります。具体的には、寒いところに長時間過ごす、冷たい水につかる、冷たい地面で長い間横たわる、などの環境的な要因でおこることがほとんどです。

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