末梢動脈疾患

足の動脈が狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなり、足にさまざまな症状を引き起こす病気です。以前は、「閉塞性動脈硬化症」あるいは「下肢慢性動脈閉塞症」と呼ばれていましたが、現在は、その原因に関係なく、国際的に「末梢動脈疾患」に統一されています。喫煙と関係の深い「バージャー(ビュルガー)病」も末梢動脈疾患に含まれます。
原因はさまざまですが、多くは動脈硬化によって、腹部大動脈から下肢動脈が詰まります。同じく動脈硬化を原因とする狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併することが多いため、末梢動脈疾患 の患者さんでは全身の動脈硬化症についても目を光らせておく必要があります。

下肢静脈瘤

手足の静脈には、逆流防止のための弁がついており、血液が心臓に戻りやすくなっています。この弁の働きが悪くなって逆流が引き起こされたり、太い静脈が詰まった場合、静脈圧が高くなります。このような理由で、皮膚に近い部分の静脈が太く長く膨らんでくるのが静脈瘤であり、そのほとんどは足(下肢)に生じます。
明らかな原因が不明のものと、最近注目を浴びている深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の後遺症として起こるものがあります。日本人では40%以上の頻度でみられるとされ、日常、最もよくみられる病気のひとつです。
特に高齢の方、女性に多くみられ、リスク因子として家族での発症や立ち仕事の関与などが知られています。

深部静脈血栓症

足から心臓へと血液を戻す血管(静脈)に血の塊(血栓)ができて詰まってしまう病気です。
ふくらはぎや足の表面にある静脈に血の塊ができても大きな問題とはなりにくいのですが、下腹部や太もも、膝の中心を走る深部静脈に血の塊ができた場合、重症となってしまいます。血の塊が足の静脈から心臓や肺に向かって流され、肺の血管に詰まった場合、肺塞栓症を引き起こします。

リンパ浮腫

リンパ浮腫とは、「リンパを輸送するシステムのトラブルにより、リンパをうまく血液中に戻すことができず、細胞と細胞の間にリンパがたまってしまった状態」をいいます。
リンパ浮腫は、他に原因がみあたらない原発性のものと、ケガや、ガンの手術など他の原因によって引き起こされた続発性のものに分けられます。

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