発酵食品とは

発酵とは、微生物が繁殖を繰り返し、もともとの食材の成分を変化させることを言います。
食材を発酵させる微生物が「善玉菌」、腐敗させる微生物が「悪玉菌」。

●善玉菌(人間にとって有益とされる菌は善玉菌に分類)
・ヨーグルトなどに入っているビフィズス菌
・納豆を作る納豆菌
・味噌やパンを作る酵母菌など

●悪玉菌(人間の体に害になる菌のこと)
・大腸菌
・ブドウ球菌
食べ物を腐らせたり、下痢や食中毒を引き起こします。

発酵食品の種類①

・キムチ
●乳酸菌→酢酸菌発酵
キムチの発酵が進むと乳酸菌が発生。
さらに発酵が進むと乳酸菌の力は弱まり酢酸菌が出てきます。酢酸菌によって酸味が加わるのです。
キムチの乳酸菌は野菜の中のブドウ糖や果糖などの糖類を分解して乳酸や酢酸を作り出す「植物性乳酸菌」で、発酵・熟成が十分に進んだキムチには、1gに億単位の乳酸菌が含まれていると言われています。
植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べて胃酸などに強く、生きたまま腸に届きます。

・イカの塩辛
●酵母菌(酵素=自己消化酵素及び内含する微生物が持つもの)によって発酵
イカの塩辛の酵母菌はなんとビールの1.5倍。
この働きでイカの含むコラーゲンも分解して体に吸収されやすくなる。
他の食品のコラーゲンの吸収率が10%前後なのに対して、イカの塩辛の場合は90%にもなる。
食べる前には10回以上かきまぜて、空気と触れさると酵母菌が活性化して、アミノ酸も倍増し、吸収率がさらにアップします。

・納豆
●大豆を納豆菌(枯草菌)で発酵
※納豆菌は稲わら、麦わら、枯れ草に存在する菌
納豆を作る納豆菌は熱に壊れにくく、腸内でも発酵を進めて、腸内環境を酸性化させていきます。酸性化すると腸内に棲みつく善玉菌は増殖しやすくなり、悪玉菌の増殖は抑えられます。

・ぬか漬け、ぬか味噌漬け
●植物性乳酸菌(L・プランタルム)、酵母菌で発酵
野菜を塩漬けにすると野菜に含まれている糖分がにじみ出てきます。その糖分を栄養源として乳酸菌が増えます。
【ぬかみそ漬け】
米糠、塩、水を混ぜたものを発酵させて「ぬか床」を作り、野菜を漬ける漬物。
【ぬか漬け】
米糠、塩のみで、水を加えないで作ります。長時間漬けるのが特徴で代表的格はたくあん。

効果①

【1】旨味アップ
食物を発酵させることにより、でんぷんがブドウ糖、タンパク質はアミノ酸に分解されます。そのため、元の食材にはない味わいや香りも生み出され、旨みも向上させられます。

【2】保存性の向上
発酵によって増えた微生物が、食物を腐敗させる菌の繁殖を抑えてくれます。そのため発酵食品は腐りにくく、長期間の保存が可能になるわけです。

【3】栄養価が高まる
不思議ですが微生物の働きによって、加工前の食物がもっている栄養素の量が増えたり、新しい栄養価が加わったりしてくれます。また、発酵されることにより栄養素の分解、吸収を高めるという働きもあるとされています。
そのため発酵食品は、高い栄養価を効率よく吸収することができるのです。

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