秋から冬にかけて、気温が下がり空気が乾燥すると、手や足、ふくらはぎや太もも、腰周り、あるいは全身の肌がカサカサして、時にはかゆみをともなう事があります。
このような症状を乾燥肌と言いますが、これは肌（皮膚）の角質層の水分が30％以下になり、保湿機能が低下して皮膚から水分が蒸発してしまうために、カサカサとした乾燥肌になるのです。

◆空気の乾燥
肌（皮膚）の水分が外の空気の乾燥に向かって、どんどん蒸発していくために起こります。
◆冷暖房の使用
冷暖房の長時間の使用は肌をますます乾燥させます。
◆洗剤や石鹸の使用
洗剤や石鹸の過度の使用は肌のブロック機能を破壊しますので、乾燥肌の原因になります。
◆食事の栄養バランスの偏り
毎日の食事の栄養バランスが偏っていると、皮膚に必要な栄養が行き渡らなくなります。その結果、皮膚にうるおいがなくなり、乾燥肌になります。
◆新陳代謝の低下
皮膚は古い角質が剥がれ落ち、新しい肌ができるというサイクルを繰り返していますが、新陳代謝が不十分な場合、古い角質が付着したままになり、カサカサ状態の乾燥肌になります。
◆肌に合わない化粧品
肌に合わない化粧品や刺激の強い化粧品の使用で乾燥肌になる事があります。
特に洗浄力の強いクレンジングクリームや洗顔料は、要注意です。
◆加齢
高齢により、皮膚の角質細胞間脂質と皮脂の分泌が低下すると、乾燥肌になります。
◆ストレス
心身の疲労やストレスは血液の循環を悪くし、肌荒れや乾燥肌の原因になります。
◆身体の不調
便秘や胃腸の具合が悪い時など、身体の不調が原因で乾燥肌になることがあります。

◆部屋の湿度調整
空気が乾燥している時は部屋の湿度調整をしましょう。
加湿器を使用したり、部屋に濡れたバスタオルをかけておくだけでも効果があります。
◆冷暖房の長時間使用を避ける
冷暖房の使用は必要最小限にとどめ、部屋の乾燥を防ぎましょう。
◆刺激の強い洗剤を使用しない
刺激の強い洗剤や石鹸の使用をやめ、天然成分のマイルドなものを使用するようにしましょう。
◆食事による乾燥肌対策
乾燥肌対策になる食材としては、ベータカロチン（ビタミンA）や必須脂肪酸、ビタミンE、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜があります。
にんじんやかぼちゃ、ほうれん草、オクラ、パセリ、ブロッコリー、ピーマン、小松菜などを多くとりましょう。
◆入浴はぬるめのお湯で
熱いお湯の長時間入浴は乾燥肌にとって悪影響を及ぼします。ぬるめのお湯に入るようにしましょう。
◆タオルの使用に注意する
タオルで洗ったり、水分を拭き取ったりする時は肌をこすらずに、上から押さえるようにしましょう。
また、化繊素材のタオルは肌を刺激しやすいので、綿などの天然素材のタオルを選びましょう。
◆刺激のない下着や寝巻きを使用する
肌に直接触れる下着や寝巻きは、刺激が少なく、水分を含む綿製品が良いでしょう。
◆保湿剤の使用
セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が入ったスキンケア用品（美容液やクリーム、乳液などに配合されている）を使用することで乾燥肌を予防・改善することができます。
乾燥肌に必要とされる水分・油分・保湿成分を一度に補給することができるホホバオイルも有効です。
◆サプリメントの使用
セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、コンドロイチン硫酸などのサプリメントは体内から乾燥肌を改善する作用があります。
また、ビタミンB2、B6、ベータカロチンなども乾燥肌を和らげます。

乾燥した肌を潤すのには、食事も大事。ビタミンやミネラル、アスタキサンチンなどが含まれた、野菜、肉・魚などの動物性たんぱく質をできるだけ加工せずにいただくのもひとつの方法です。食事にサプリをプラスするのも有効。

たんぱく質食材に含まれているのは……

◆コラーゲン＝細胞にハリを与える
◆ヒアルロン酸＝細胞内の水分を保持
◆イソフラボン＝女性ホルモン・エストロゲンと似た働きをもち、コラーゲンの生成を助ける
◆ビタミンB6＝細胞の代謝を助け、肌あれを防止
◆ビタミンB2＝脂質の代謝を助け、皮膚を健康にキープ
◆ビタミンA＝粘膜を保護して健やかな皮膚や髪をつくる

皮や骨に多いコラーゲンは、手羽先など皮つきの鶏肉や魚の水煮缶詰がおすすめ。
イソフラボンは大豆製品、ビタミンB6は青背魚やマグロなどに豊富に含まれます。
乳製品からはビタミンA・B2、野菜を少しプラスすればグンと効果がアップ。
ビタミンCはコラーゲンの合成を促します。
抗酸化ビタミン（ビタミンA・C・E）の多い野菜をとれば、より肌乾燥対策のサポートが期待できます。