日本人の食塩摂取量は多い!

世界的に見ても、日本人は食塩摂取量が多いことで知られています。日本人が食塩を摂り過ぎる理由のひとつとして、伝統的な食習慣として醤油やみそ等の調味料を使った料理や漬物、海産物加工品等、食塩が多い加工食品でご飯をおいしく食べてきたことがその背景にあります。ただ、保存技術が発達した現代では、調味料や保存食品の食塩含有量は減少傾向にあり、減塩食品の選択肢も広がってきました。しかし、惣菜等を含む加工された食品や料理、外食をとる機会が増えたことが、まだ日本人は食塩摂取量を減らすことができない一因になっていると考えられます。

過剰な塩分摂取が悪影響を招く!

食塩を摂りすぎると血液量が増えて、血圧が上がりやすくなります。これは、血液中のナトリウム濃度が上がると、通常の濃度に戻すために血管内に水分を送り込むためです。また、加齢により血管が細くなることでも高血圧になりがちです。血圧が高い状態が続くと、血液を体に循環させるために心臓に負担がかかり、動脈硬化が始まり、心血管疾患、脳血管疾患などが起こりやすくなります。最近では、若いうちから高血圧の傾向にある人は、認知症のリスクを高めることも分かってきました。腎臓は塩分を排泄する臓器ですが、塩分摂取が多すぎると腎臓の負担となり、機能が低下する腎不全のリスクも上がります。

他にも食塩の過剰摂取は、メタボリックシンドロームなどのさまざまな生活習慣病の引き金となり、ナトリウムの蓄積が細胞壁を損傷することから、胃がん等の悪性新生物を発生させる一因になることもわかっています。同じような食生活をしていても、遺伝的に血圧が上がりやすい人もいれば、ほとんど影響のない人もいますので、遺伝的に高血圧リスクをもっている人は、血圧のチェックは必須ですが、リスクのない人でも食塩の過剰摂取には気をつける必要があります。食塩摂取を控えることは健康維持に欠かせず、寿命の長さ(長命)ではなく、本来の長寿=健康寿命の延伸にとって重要なことなのです。

汗を流すことでナトリウムを排出しよう!

ナトリウムを排出するには、適度に汗をかく運動を習慣化することも大切で、早歩きやウォーキング、掃除などの家事でも、汗ばむ程度を目安にして運動を心がけましょう。運動をすると、汗を出し、腎臓からナトリウムを排出させるホルモンが増えて、血圧が下がることがわかっています。

ウォーキング等の有酸素運動は、血液循環を改善し、血管が柔らかくなり、血圧が下がりやすくなります。また、有酸素運動には、体脂肪を燃やす減量効果があります。太っている人ほど塩分を体内に貯めやすく、痩せている人ほど食塩の過剰摂取が高血圧に影響しにくいという報告もありますから、太っている人は適度な有酸素運動で減量しましょう。

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