「エコノミー症候群」とは

狭い空間で長時間同じ体勢で過ごしていると、血行不良が起こり、血液が固まりやすくなります。この血の固まりの一部が血流にのって肺に流れてしまうと、肺の血管を閉塞してしまい、肺塞栓などを誘発する危険があります。これを深部静脈血栓症や肺塞栓症、いわゆる「エコノミー症候群」といいます。 飛行機のエコノミークラスなど、狭い座席に長時間座り、足を動かさずに同じ姿勢でいる時に生じやすいため、エコノミー症候群と呼ばれていますが、エコノミークラスに限らず、ビジネスクラスや車、バス、オフィスでのデスクワークなどでも発症する可能性はあります。

初期の症状として、大腿が赤くなったり、腫れたり、痛みを感じます。放っておくと、足にできた血栓が肺に詰まり、胸痛、呼吸困難、失神などの症状が出現し、非常に危険な状態になります。歩く時に息が切れる、胸が痛む、一時的に意識を失う、片側の足がむくむ、または痛むなどといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

「エコノミー症候群」になりやすいタイプの人とは

「エコノミー症候群」にもなりやすい人がいるので注意が必要です。身体状況や過去の病歴なども影響し、下肢静脈瘤、下肢の手術、骨折等のけが、悪性腫瘍、過去に深部静脈血栓症、心筋梗塞、脳梗塞等を起こした事がある方などは要注意。また、高齢者、肥満気味の方、妊娠中または出産直後の方、生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症等)の方も注意が必要なようです。

「エコノミー症候群」を予防するには

「エコノミー症候群」の予防には、軽い体操やストレッチ運動、深呼吸、こまめな水分補給、アルコールを控えることや禁煙、ゆったりとした服装でベルトをきつく締めない、かかとの上げ下ろし運動、ふくらはぎを軽く揉む、眠るときは足をあげるなどを時々行いましょう。

特に、足を動かすことと水分を取ることは対策として重要。機内の座席が窓側の場合、トイレに行きづらいと感じ、水分を取ることを控えてしまう方もいますが、水分が不足してしまうと血栓が生じやすくなってしまうため、機内ではいつも以上にこまめな水分補給を心掛けましょう。また、トイレに行くことで体を動かし、同じ体勢でこり固まった体をほぐすこともできます。

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