低血圧と貧血は、一部の症状が似ているため混同されやすいのですが、まったく別の病気です。脳貧血も貧血と混同されやすい病気です。血液のはたらきと、貧血、低血圧、脳貧血の違いをまとめました。

「血液」とは?

血液は、液状成分である「血漿(けっしょう)」の中に、形のある血球成分(赤血球、白血球、血小板)から構成されています。このなかで貧血に関係あるのは赤血球です。

低血圧と貧血はどう違う?

低血圧と貧血は、一部の症状が似ているため混同されやすいのですが、まったく別の病気です。また、脳貧血も貧血と混同されやすい病気のひとつ。違いをまとめました。

貧血

ある一定量の血液の中に含まれる赤血球、またはヘモグロビンが正常値以下に減少した状態のことです。

原因のうちのほとんどが「鉄不足」。ヘモグロビンはヘムとグロビンから成る複合タンパク体だが、ヘムの成分の中に鉄が入っています。したがって、鉄が不足すると、ヘモグロビンができなくなり、赤血球が小さくなったり赤みが薄くなったりします。赤血球の役割、酸素を体内に運ぶはたらきにも支障が生じます。なお、鉄不足以外の原因で貧血になることもあります。

低血圧

血液が動脈を通るとき血管壁におよぼす力を血圧といいます。血圧は体内各所で異なり、血圧の高い方から低い方に血液が流れることで血液循環がスムーズに行われます。
血圧が低くなると、重力に反して血液を送らなくてはいけない脳や、体の末端への血流が悪くなり、全身の倦怠感、立ちくらみ、めまい、冷え症、肩こり、動悸、食欲不振などの自覚症状があります。ただ、低血圧には高血圧症のように生命を脅かす危険はなく、かえって長生きの人が多いとも言われています。

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