スライダーとは?
スライダーとは、リリースした手から反対方向に滑るように曲がっていく変化球です
変化の方向はカーブに似ていますが、カーブより球速があり、カーブのように滑らかな弧を描くのではなくストレートに近い軌道から打者の手前でクイッと曲がります。
右対右もしくは左対左の場合、バットから逃げるように変化していく為、空振りを取れる変化球として多くの投手が持ち球にしています。
純粋なスライダーは真横に近いに変化する球のことをいいますが、斜め下方向や真下に近い変化をさせるリリースもあります。
カットボールも変化よりも球威を重視したスライダーの一種といえるでしょう。
スライダーの投げ方
スライダーの握りは、ストレートの握りから人差し指と中指をボールの外側にずらして揃えます。
ちょうど中指全体が縫い目にかかる位置で、人差し指は縫い目にかかりません。
スライダーはカーブと違い、”抜く”のではなくストレートと同じ様に手首と指で回転をかけます。
手首はやや外側を向けてチョップをする様に振り、縫い目にかかっている中指に特に力を入れてリリースします。
そうするとボールが外側から押し出される様にスライド回転でリリースされます。
手首を外側に向け過ぎると中指でボールを押し出せなくなり、ボールが抜けてブレーキの利かないカーブの様な球になってしまいます。
スライダーの種類
スライダーは投げ方によって曲がり方が異なります。
【横スライダー】
横に変化するスライダーはバックスピンの成分が強ければ落下が少なく横滑りするスライダーに、サイドスピンの成分が強ければ沈みながら大きく横滑りするスライダーになります。
速球と同じような投法と球筋から比較的速い球速で変化するため打者は速球と誤認しやすく、横の変化でボールからストライクへ、ストライクからボールへなどという使い方や小さい変化でバットの芯を外したり、大きい変化で空振りを狙うなど様々な使い方をされています。
日本人選手では伊藤智仁や岩瀬仁紀が代表的な使い手で、MLBではスティーブ・カールトンやホセ・フェルナンデスが有名。スリー・クォーターやサイドスローの場合は元々横から出てくる球筋に更に横変化が加わるため、大きな角度のある変化球となります。
【縦スライダー】
スライダーの中でもジャイロ回転の成分を有して縦に落ちるスライダーが縦スライダーです。
上向きの揚力を持たないため、フォークボールのように落下し、ジャイロ回転の効果で初速と終速の差が小さく、ジャイロ回転の成分が強い物は回転軸の傾きによっては若干左右へも変化したり、落差が変わったりもします。日本人選手では松坂大輔、田中将大、大塚晶則、山岡泰輔などが代表的な使い手で、MLBではジョン・スモルツやブラッド・リッジ、グレッグ・ホランド、マックス・シャーザーが代表的な使い手として知られています。