乳酸菌とは

乳酸菌は、糖を分解して大量の乳酸を作りだす微生物の総称で、人間や動物の腸内、牛乳や乳製品、漬け物などの発酵食品にも存在しています。

●乳酸菌の定義
乳酸菌と呼ばれるためには、以下に当てはまることが条件になります。

・ブドウ糖(グルコース)を分解して作りだす代謝物の50%以上が乳酸であること
・形状は、棒状または円柱状の「桿菌」、球状の「球菌」(繋がっている場合もある)
・グラム染色すると陽性反応を示す(青くなる)
・自ら動くことはない
・毒性物質を出さない
・酸素があっても生きられる通性嫌気性 など

●乳酸菌のプロバイオティクス効果
私たちの腸内には、身体によい作用をもたらす善玉菌、有害な作用をもたらす悪玉菌、どちらにも付く日和見菌(善玉菌が多いと問題はないけれど、悪玉菌が増えると有害になることがある)が棲んでいます。
乳酸菌は、ビフィズス菌と並ぶ善玉菌の代表格。このように、身体によい菌やその菌を含む食品、また働きのことを「プロバイオティクス」と呼びます。

乳酸菌のプロバイオティクス効果は、大量の乳酸を作りだすことで腸の中を酸性にし、腸内環境を整える働きを持ちます。その結果、便秘や下痢の改善、免疫力アップ、アレルギー抑制効果など、さまざまな効果をもたらしてくれます。

主な乳酸菌の種類と特徴

酸菌は200種類以上ありますが、中でも注目を集めているものを紹介します。

●乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)
昭和10年から乳酸菌飲料「ヤクルト」に使われている乳酸菌で、正式にはラクトバチルス属カゼイ菌YIT9029株。胃液や胆汁などの消化液に強く、生きたまま腸内に到達し、腸内のビフィズス菌を増やして腸内環境を改善。

●KW乳酸菌(乳酸菌KW3100株)
キリングループが発見した乳酸菌で、正式にはラクトバチルス属パラカゼイ菌KW3100株。アレルギー状態の際に免疫バランスを整える働きがあり、アレルギー改善や免疫力アップが期待されています。

●プラズマ乳酸菌(JCM5805株)
キリンと小岩井乳業による共同研究で発見。正式にはラクトコッカス属ラクティス菌JCM5805株。免疫細胞の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)を活性化し、風邪やインフルエンザに強い身体をめざします。

●LG21乳酸菌
明治が保有する2500種類以上の乳酸菌ライブラリーの中から発見した乳酸菌で、正式にはラクトバチス属ガセリ菌OLL2716株。ほかの乳酸菌に比べて胃で生きる力が強い特徴があり、ピロリ菌の活動を抑える効果が期待されています。

●モラック乳酸菌
森永乳業が保有する数千株の中から選ばれた乳酸菌で、正式にはラクトバチルス属パラカゼイ菌MCC1849株。インフルエンザへの効果が期待されています。

●L-92乳酸菌
カルピス社が発見した乳酸菌で、正式にはラクトバチス属アシドフェルス菌L-92株。アトピーや花粉症などのアレルギー症状緩和が期待できます。

●ガセリ菌SP株
雪印メグミルクが発見した乳酸菌で、正式にはラクトバチルス属ガセリ菌SBT2055株。生きたまま腸まで届き、長く留まることが実証されています。

●フェカリス菌
正式には、エンテロコッカス属フェカリス菌のことで、免疫力をアップし、花粉症やアレルギーに効果があるとして話題を集める乳酸菌。EC-12、FK-23などがあります。

●ラブレ菌
正式には、ラクトバチルス属コアギュランス菌のことで、京都のすぐき漬けから発見された植物性の乳酸菌です。

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