ウニには葉酸が多く含まれており、ほうれん草の約3倍、アスパラガスの約2倍以上もの葉酸が含まれているとされています。ビタミンB群の一種である葉酸は、妊娠の可能性がある女性に対して非常に重要な栄養素です。葉酸は赤ちゃんの脳や神経を形成する栄養素のひとつであるため、特に妊娠初期には葉酸が必要となります。葉酸が不足すると貧血だけではなく流産や胎盤早期剥離、先天性異常の二分脊椎のリスクが高くなります。
さらに葉酸は、加熱調理に弱いのが特徴ですが、ウニは生のままで食べる機会が多いため、効果的に葉酸を摂ることができると言えるでしょう。
また、ウニには妊婦に起こりやすい鉄欠乏性貧血を予防する鉄分も豊富ですし、骨や歯を作る働きのあるカルシウムも含まれています。特にカルシウムはお母さんのお腹の中から赤ちゃんへと与えられるため、積極的に摂る必要があります。

ウニは、皮膚や粘膜を保護し、乾燥肌やニキビ肌を防ぐ働きや、免疫力を高める働きもある優れものです。
疲労物質である乳酸を除去し、疲労回復作用のあるビタミンB1や肌を健やかに保つビタミンB2、骨や歯を丈夫にする働きのあるビタミンD、抗酸化作用によってエイジングケア効果が期待できるビタミンEもあります。
さらに、血液の流れを良くし、動脈硬化や心臓病、脳血管障害などを予防するEPA(エイコサペンタエン酸)、脂肪が身体に溜まるのを抑え、美容効果も期待できるうまみ成分のグルタミン酸、栄養補給に効くパントテン酸なども含まれています。
ウニはその柔らかさと胃への負担の少なさから胃腸虚弱の方や高齢者の栄養補給にも適していると言えるでしょう。

美味しくてこんなに素晴らしい栄養が満載のウニですが、痛風の原因となる尿酸値を高めるとされているプリン体や、コレステロールも多く含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。
たまの贅沢に、程よく食べるのが良さそうですね。