振り逃げとは

振り逃げとは、第3ストライクを宣告されたバッターが直ちに三振でアウトにならず、1塁への進塁を試みるプレーのことを指しています。

正式なルール上は、振り逃げという言葉ありません。振り逃げのプレーを表す言葉がルールブックにはないので、便宜上、振り逃げと呼ばれています。

振り逃げの発生は、少年野球などアマチュア野球で特に多いですが、プロ野球やメジャーリーグでもたびたび起きるプレーでもあります。

振り逃げが成立する3つの条件

振り逃げは第3ストライクが宣告される全てのケースで成立するわけではありません。

振り逃げのルールを理解するためには、まず振り逃げが成立するための条件について知る必要があります。

第3ストライクが宣告された時に、振り逃げが成立するのは次の3つの条件を満たした場合に限られます。

条件①第3ストライクをキャッチャーが完全捕球しないこと

第3ストライクが宣告されたボールが、キャッチャーミットに収まる前に地面に触れたり、キャッチャーが落球、捕逸した場合に、バッターは1塁への進塁を試みることができます。

振り逃げという名前ですが、バッターがスイングすること自体は条件ではなく、第3ストライクが見逃しによって記録された場合でもキャッチャーが完全捕球できなければ、振り逃げは成立します。

条件②無死・一死で1塁ランナーがいないor二死であること

振り逃げが成立するためには、1塁ランナーの有無とアウトカウントが条件となります。

ツーアウトの場合には、ランナーがいるかどうかに関わらず振り逃げは成立します。

しかし、ノーアウトまたはワンアウトで、ランナーが1塁にいる場合には振り逃げはできません。

例えば一死ランナー1塁のケースで、振り逃げが成立するなら2塁はフォースプレーでアウトが成立するため、簡単にダブルプレーを取ることができてしまいフェアではありません。

そこで故意落球によるダブルプレーを防ぐ意図から、アウトカウントとランナーの有無の条件が設定されています。

条件③バッターに進塁の意思があること

2つの振り逃げの条件を満たしていても、バッターに進塁の意思がない場合には振り逃げは成立せず三振でアウトとなります。

進塁の意思があるかどうかについては、バッターボックスの周りのダートサークルを出たかどうかで判断されます。

内野が芝の球場では土の部分から芝に出た時に、土の球場ではホームベースを中心に引かれた直径26フィートの円を出た時に、進塁の意思がないとみなされます。

つまり、振り逃げが成立する条件にあるバッターは、第3ストライク宣告後、直ちに1塁方向に走り出す必要があります。

記録上は三振

バッターは出塁できたかどうかに関わらず、三振が記録され、打数がカウントされますが打率や出塁率は上がりません。投手には奪三振が記録されます。

バッターの出塁を許してしまった場合には、ピッチャーの暴投が原因なら暴投が記録されそのランナーが生還すれば自責点が記録されます。

キャッチャーのパスボールや他の野手のエラーならエラーが記録され、そのランナーが生還してもピッチャーに自責点は記録されません。

出塁であっても三振自体は記録されるため、振り逃げがあった回に1イニング4奪三振が記録されるようなケースも稀にあります。

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