お酒が太りやすい理由

お酒は食欲を増進させる

実はお酒を飲むと、食欲を抑制するレプチンとよばれるホルモンの分泌が抑制されます。さらにガストリンと呼ばれる胃の機能をサポートするホルモンも分泌されることで、食欲が増進しやすい状態になることがわかっています。

酔いが進むほどに満腹感を感じにくくなるため、気づけば普段より食べ過ぎてしまた、ということもあるでしょう。お酒と一緒に食べるメニューでは、糖質や脂質の少ないものを選ぶことを心がけてください。

お酒を飲むと血糖値が上がりやすくなる

お酒のアルコールは、直接的に血糖値を上げることはありませんが、お酒を飲むと肝臓に蓄えられているアグリコーゲンがブドウ糖になるため、血糖値が上がってしまいます。

血糖値が高くなると、膵臓からはインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる働きがありますがそれだけでなく、中性脂肪の合成を促すホルモンでもあります。そのためお酒を飲むと太りやすくなります。

お酒によって中性脂肪の原料が増える

肝臓には、お酒のアルコールに反応して中性脂肪を作るメカニズムが備わっていることがわかっています。

アルコールが肝臓に到達すると、SREBP-1cと呼ばれる酵素の働きが高まります。SREBP-1cは、中性脂肪の原料である脂肪酸を作る酵素です。

お酒を飲むと肝臓では中性脂肪の原料が増加し、中性脂肪が増えやすい状態になってしまうのです。

お酒によって中性脂肪を燃焼させる酵素が減る

お酒を飲むと、肝臓内で生成される脂肪の燃焼促進に関わる2つの酵素の働きが抑制されることもわかっています。

まずお酒を飲むと、脂肪酸の燃焼を促進する酵素であるAMPKの働きが抑制されます。さらにお酒の成分が消化分解される過程で現れるアセトアルデヒドという物質も、中性脂肪の分解や脂肪酸を燃焼させる働きをするPPAR-αの働きを抑制する原因です。

こうして脂肪を燃焼させる力は低下し、血液中の中性脂肪が増加することによって太りやすくなります。

太りにくいお酒とは

太りにくいお酒は、糖質の少ないお酒です。焼酎やウイスキーのような蒸留酒は、糖質をほとんど含みません。

ただ、焼酎やウォッカ、ジンといったお酒はジュースや果汁で割って飲むと、糖質量が増えるのでご注意ください。水割りやソーダ割り、ロックといった、糖質が増えない飲み方にすれば、安心して楽しめます。

お酒を飲むときに注意したいこと

太りたくはない、でもお酒を楽しみたい!
そんな時は、次のことに注意しながら飲みましょう。

1 適量飲む
2 水分補給する
3 野菜のおつまみを選ぶ
4 タンパク質の多いおつまみを選ぶ

日本人の多くが、遺伝的にアルコールを分解する酵素が少ない傾向にあるといわれています。アルコールを分解するのは肝臓です。肝臓に負担がかかれば中性脂肪が増えやすくなるほか、アルコールを分解する過程で生じるアセトアルデヒドの排出が遅れて、二日酔いになることもあります。

お酒を飲んでも太らないためには、自分の体質や体調にあった種類のお酒を適量楽しむ程度に留めてください。

また肝臓を助けてアルコールの代謝を促すために、水分補給や、高タンパクで低糖質、低脂質なおつまみを選ぶことです。さらに肝臓の働きをサポートする、抗酸化物質の豊富な野菜のおつまみも加えることも大切です。

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