夏バテはなぜ起こる?

日本の場合、夏特有の環境、つまり「高温多湿」の環境が原因で、体の働きが正常に機能しなくなって起こる体調不良のことを、総じて「夏バテ」と呼びます。 では、夏バテにどうしてなってしまうのでしょうか? 私たちは暑さを感じると体温が上昇しますが、汗をかくことで体温を下げるよう、体温を調節しています。しかし、大量の汗をかく夏は水分だけでなく、ナトリウムやミネラルなど、体にとって必要な栄養素も、多く排出してしまいます。 汗をかくのは自律神経の働きによるもので、分かりやすくいえば、汗をかくように働くのが交感神経、汗をかかないように働くのが副交感神経です。また、胃腸の動きを止める方向に働くのが交感神経、胃腸の動きをスムーズに整えるのが副交感神経です。 しかし、真夏の屋外の気温や湿度と、空調のきいた屋内との気温や湿度の差を繰り返し感じることなどによって、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。すると、体温調節が上手くできなくなるだけではなく、胃腸障害や睡眠障害などを起こすことが、夏バテの原因だといわれています。

暑い夏を元気に乗り切るために気をつけたいこと

食事

暑いからといって冷たいものばかりを食べたり飲んだりしていると、胃腸に負担をかけてしまい、胃腸不良の原因となります。また自律神経の乱れも、胃や腸などの消化器機能の不調を招きます。これにより食欲不振が引き起こされ、必要なエネルギーやビタミンなどが不足してしまいます。食欲がわかなくなるので、のどごしの良さやさっぱりした味覚に偏りがちになり、栄養バランスはさらに崩れてしまいます。バランスの良い食事を意識し、十分な栄養を摂ることで疲労回復を図りましょう。特にビタミン類を多く含む食品を取り入れることを、意識しましょう。

睡眠

睡眠には心身の疲労を回復させる働きがあります。適切な時間で質の良い睡眠を確保することで、健康な生活を目指しましょう。夜間に十分確保できない場合は20分程度の昼寝で補うようにしてみましょう。

運動

夏に限らず、普段から「自分は体力がない」と感じている人こそ、夏バテ予防として軽い運動を生活の中に取り入れることをオススメします。ここでいう体力とは、「冷えた環境への対応力」や「健康を維持していく力」のことです。軽い運動を習慣にすることで、夏バテに負けない体力をつけておくことができます。 また毎日の運動習慣は、エネルギーを消費し、食欲を増進するため、体力アップにもつながりますし、軽い疲労感により睡眠も取りやすくなりそうですね。

夏バテにオススメの運動

夏バテには、有酸素運動がオススメです。激しい運動ではありませんので、手軽に安全に行えますが、休養を取り入れながら、無理なく続けることが大切です。例えば、ウォーキングやジョギングが有酸素運動の代表例ですが、この場合もゆっくりで大丈夫。無理に早足になる必要はありません。「人と話ができて軽く汗ばむくらい」を意識すると良いでしょう。ラジオ体操や全身のストレッチなども、自宅でも気軽にできる運動です。 「運動するぞ!」と意気込まず、日常生活での活動にちょっと変化をつけるだけでも、効果が期待できます。エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を利用する、比較的涼しい時間に1駅分歩く、いつもよりすこしだけ早歩きしてみるものよいでしょう。 普段の生活の中で、できる運動を続けてやってみることで、暑い夏をより快適に過ごすことができたら、いつもより楽しい夏の生活になるかもしれません。

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