「カカオマス」のもつポリフェノールの優れた抗酸化作用

チョコレートやココアパウダーの主原料であるカカオマス。カカオマスとは、発酵および乾燥させたカカオ豆の胚乳を焙煎し、すりつぶしたもののことです。このカカオマスに豊富に含まれる「カカオポリフェノール」に動脈硬化予防をはじめとするさまざまな健康効果があることが、国内外の多くの研究で分かっています。

その理由として挙げられるのが、カカオポリフェノールの持つ抗酸化作用です。老化やがん、生活習慣病などの要因となる活性酸素から体を守る働きがあります。抗酸化作用を持つポリフェノールには、赤ワインやブルーベリーに含まれる「アントシアニン」、緑茶に含まれる「カテキン」、大豆に含まれる「イソフラボン」をはじめとして数多くの種類がありますが、カカオポリフェノールはチョコレートやココアといった親しみやすい形でいつでも気軽に摂取できる点で近年特に注目を集めています。

また、カカオマスにはポリフェノール以外に食物繊維やミネラル、たんぱく質なども豊富に含まれており、普段の食事だけでは不足しがちな栄養素をあわせて取ることができるという利点もあります。

高カカオチョコレートを1日25g程度!

カカオポリフェノールやカカオマスに含まれる栄養素を効率よく摂取するには、カカオ粉末を70%以上含む高カカオチョコレートがお薦めで、ダーク(ビター、ブラック)チョコレートとも呼ばれています。

カカオ含有量72%の高カカオチョコレートを4週間、毎日25g摂取してもらったところ、摂取前と後で、血圧の低下、善玉コレステロールの増加、血管の炎症やストレスの数値が低下、脳や血液の中に多く存在するタンパク質の増加などの体の変化が見られたという結果が報告されています。

ミルクチョコレートはダークチョコレートに比べて砂糖や油脂が多いため、たくさん食べるとカロリーオーバーになってしまい、太りやすくなるなどのリスクも高まります。また、カカオマスを含まないホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールも当然のことながらほとんど含まれません。もちろん、高カカオチョコレートであっても食べ過ぎれば肥満の原因になります。1日25g程度を目安にするといいでしょう。

午前中と午後に分けて少量ずつ取ろう

一般的に、カカオポリフェノールをはじめとするポリフェノール全般の抗酸化作用は摂取後約2時間でピークを迎え、4時間ほどで消えていくといわれています。高カカオチョコレートを一度に25g食べても、抗酸化作用が一日中持続するわけではありません。数回に分けて食べるのが望ましい取り方です。

最適なタイミングは朝食後から昼食までの1回、昼食後から夕食までの1回です。日中は仕事のストレスや紫外線、運動などで活性酸素が発生しやすい状態にあります。体内の酸化が進むのをできるだけ抑えるためにも、さっと口にできる高カカオチョコレートを少量摂取するのは効果的です。

また、チョコレートには集中力を維持したり、精神をリラックスさせたりする効果があることもさまざまな研究で確認されています。仕事中の疲れやイライラなどを軽減する意味でも、適切なタイミングでチョコレートを摂取するのはお薦めです。

なお、夜は日中に比べると活性酸素が発生するリスクも少なく、また食べたものが代謝されにくく体にためこまれやすいので、夕食後にチョコレートを摂取するのは避けましょう。

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