実は侮れない「ヒートショック」

「ヒートショック」とは、暖かい場所から寒い場所へ移動することで起こる、急激な温度変化が影響し、血圧が大きく変化することが原因で起こる健康障害です。失神、脳梗塞、心筋梗塞や不整脈などが引き起こされ、浴室で起こると転倒の危険や、湯船で溺れるなど、命に関わる場合もあります。

原因となる血圧の大きな変化は、暖かな部屋から寒い脱衣場へ行って衣服を脱ぐと、寒さで血管が収縮して血圧が上がります。その直後に熱い湯に浸かることで血管が緩み、血圧が急降下して、心臓や血管の疾患を起こしてしまうのです。また、排泄の後は血圧が一気に下がるので、寒いトイレで用を足して立ち上がった時に失神を起こすケースも見られます。

「ヒートショック」は寒い家で起こりやすい!

「ヒートショック」の誘引となるのは室内の気温差で、冷暖房のある場所とない場所の温度差が大きい家は、血管の収縮に負担がかかりやすくなってしまいます。

高齢者の場合は特に、室温が16℃以下になると呼吸器疾患や心臓血管疾患など、見過ごせない健康リスクが高まる危険性が指摘されています。WHOも、健康のための理想的な室温として18℃という明確な数値を提示しているほどです。

暖房をつけているのに部屋が寒い「コールドドラフト現象」

「コールドドラフト現象」は、暖かい室内の空気が冷たい窓ガラスに触れて冷やされ、床面に下降する現象です、天井と床で5℃以上の温度差が生まれることもあるそうです。

エアコンを効かせても、足元がひんやりすると感じる方は、この「コールドドラフト現象」が原因かもしれません。この状態だと、いつまでも部屋は暖まらず、暖房のムダ遣いにもなります。

「コールドドラフト現象」は、すきま風と間違えられますが、実際は外から冷たい空気は外から入り込んでくるのではなく、室内で発生するものです。起きやすいのは、窓が冷えやすい家、つまり窓の断熱性能が低い家です。古い家は概して断熱性能が低く、特に1枚ガラスの家は注意が必要です。

室温が16度を下回ると呼吸系疾患に影響が出て、12度以下になると血圧上昇や心血管リスクが高まるとされていますので、寒い家にならないよう対処しましょう。

今年の冬は寒い!いまから対応を考えておきましょう!

今年は世界中で異常気象の要因となるラニーニャ現象が発生していて、ラニーニャ現象が発生すると、日本では寒い冬になりやすい傾向があるそうです。

今年は寒い冬になりそうですから、家が寒いという方はしっかり対応を考えておきましょう。

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