インドのカレー

「カレー」の発祥の地であるインドですが、カレーというのはそもそもヨーロッパ人が呼称した言葉で、インドにはカレーというものがないそうです。インドの国土は大まかに、東西南北の4つの別れ、その広大な国土の多種多様な地域性や民族性から、多くのカレーが生まれています。

シナモンやクローブ、ナツメッグ、ガラムマサラを使った、どろっと濃厚なカレーが特徴的な“北インド”では、小麦から作るナンやチャパティを主食に、ムルグマッカーニ(バターチキンカレー)」や「キーママター(キーマカレー)」、「パラクパニール(ほうれん草とチーズのカレー)」などがあります。

“南インド”は、米を主食に、カレーリーフやマスタードシード、ココナッツミルクを多用したさらっとしたカレーがよく食べられています。野菜とヨーグルトのカレー「アヴィヤル」や、辛みと酸味のきいたタマリンドや黒コショウ、トマトなどのスープ「ラッサム」、スパイスで炒めたじゃがいもなどを豆粉のクレープで包んだ「マサラドーサ」、またバナナの葉の上にさまざまなおかずを乗せた定食「ミールス」などが有名です。

米を主食に魚をよく食べる“東インド”は、マスタードオイル、マスタードシード、ターメリックなどを使った「マチェル・ジョル(ベンガルフィッシュカレー)」が有名で、小麦のパンと米の両方が主食の“西インド”では厳格な菜食を教義とするジャイナ教のお膝元グジャラート州の定食「グジャラティターリ」が名物です。

タイのカレー

タイのカレーは、インドやマレー料理の流れを汲むように見えて、ハーブや発酵調味料などを多用したまったく独自のものです。こぶみかんの葉(カフェライムリーフ)やレモングラスなどのフレッシュハーブとともに、ココナッツミルク、とうがらし、シュリンプペーストや魚醤(ナンプラー)、パームシュガーなどで味付けし、辛さやマイルドさ、コク味が複雑に絡み合う「ゲーン」と呼ばれる汁カレーは、タイ料理の傑作と言われ、ハーブの調合によって「グリーンカレー」や「レッドカレー」などとも呼ばれます。

なかでも「マッサマンカレー」は“世界で一番美味しい料理”にも選ばれ、いまでは世界に知られることになりました。

イギリスのカレー

現在の日本のカレーの礎となったと言われるイギリスのカレー。明治時代に日本海軍に伝わったことで、今では日本の国民食にまでなりました。

イギリスのカレーは、小麦粉でルーを作ったり、ヒンドゥー教徒にとって禁忌である牛肉を使ったりと、インド本国のカレーとはかなりかけ離れていますが、手間暇かけてシチューのようによく煮込んだコク味のある味わいが特徴です。

ちなみに、「欧風カレー」はヨーロッパのカレーと思われがちですが、実は日本生まれの言葉で、あるカレー専門店が、スパイスがしっかりと効いた、それでいてまろやかなカレーを欧風カレーと呼び始めたことに由来するという説が有力なんだそうです。

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