スコティッシュストレート

●スコティッシュストレートの歴史

折れ耳がかわいらしい印象を与え、広く人気を獲ているスコティッシュフォールド。
スコティッシュストレートは、スコティッシュフォールドと同じ猫をルーツに持つ立ち耳の猫です。
猫の血統登録機関として世界最大の団体・TICA(The International Cat Association)では、スコティッシュフォールドから独立した1つの猫種として扱われ、スタンダードが設定されています。
スコティッシュフォールドとスコティッシュストレートのルーツとなった猫は、1960年代にスコットランドの農場で生まれた白いロングヘアのメス猫・スージー。
成長したスージーが産んだ子猫は複数いて、その中には折れ耳の個体を持つ猫がいました。この折れ耳猫の子孫が、今日におけるスコティッシュフォールドのルーツです。
一方では、折れ耳だけではなく立ち耳の個体も誕生しました。
「Fold(折りたたむ)」という意を含んだスコティッシュフォールドの折れ耳に対して、立ち耳は「Straight(直立した)」の意を含む「スコティッシュストレート」と呼ばれることになるのです。


●スコティッシュストレートの飼い方

ほかの猫種と比べ、鳴き声が静かな部類に入るスコティッシュストレート。ペット可マンションやアパートなどの賃貸物件でも飼いやすい猫種です。
また、あまり活発ではないため、飛び跳ね続けることはあまりしません。遊び自体は好みますので、適宜遊んであげるとよいでしょう。
被毛のケアについては、短毛種であれば週1、長毛種であれば週2~3回程のグルーミングを行うとよいでしょう。


●スコティッシュストレートの毛色

スコティッシュストレートとスコティッシュフォールドは、体質の安定を目指しアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、雑種などとの異種交配が進められました。そのため、毛のバリエーションが豊富ですべての毛色が認められています。


●スコティッシュストレートの気を付けたい病気

スコティッシュフォールドと比較した場合、立ち耳は折れ耳と比べ通気性がよいため耳の病気にかかりにくいとされています。
また、折れ耳は骨が変形する遺伝性疾患(遺伝性骨形成異常症)による影響で起こるため、立ち耳の場合、遺伝性疾患のリスクが少ないとも言われています。

オシキャット

●オシキャットの歴史

オシキャットはまるでヤマネコのような豹柄ですが、ヤマネコとの交雑はまったく行われず、シャムとアビシニアンの交雑2代目で偶然生まれた猫でした。
その交雑を行ったアメリカの繁殖家バージニア・デイリーは、アビシニアンの毛色にシャムのポイントを持つ猫を作ろうと考えました。この交雑の1代目の子猫たちは、全員がアビシニアンの毛色を持っていました。この子猫たちを使って作り出した2代目の子猫たちに、デイリーが求めていたポイントのあるアビシニアンが生まれましたが、子猫の中に風変わりなパターンを持つ猫がいました。ベージュの地色に茶色の細かいスポットを持つこの猫はトンガと名付けられました。トンガを新しい猫種と考えたデイリーの娘は、トンガの模様がオセロットというヤマネコに似ていることから「オシキャット」と呼ぶことにしました。
しかしデイリーにとってこの子猫は目的とは違う猫であり、1代限りのものと考えて、去勢をしてペットとして譲ってしまいました。
ある日デイリーは、有名な遺伝学者のクライド・キーラー博士が、ヤマネコによく似たスポットを持ち、すでに絶滅した猫種に近い猫を作出しようと試みていることを知りました。デイリーはキーラー博士に連絡をとってトンガのことを伝え、トンガと同じ特徴を持つ猫を育種することを決意しました。
トンガは去勢済みで交配はできませんでしたので、デイリーはトンガの両親を使って何度か交配を試み、トンガより褐色がかったオス猫を作り出すことができました。この猫はドットソンと名付けられ、次にアメリカンショートヘアのメスとの交配で、シルバーの毛色を作り出す試みが始まりました。
こうしてオシキャットは、新しい猫種として1966年にCFAに登録を申請しましたが、この時は受理されず、予備登録されることになりました。
作出者のデイリーはその後、家庭の事情で10年ほど、繁殖を中断しなくてはいけなくなり、1980年代まで繁殖を再開することができませんでしたが、オシキャットに魅了された他の繁殖家の努力により、1986年にはTICAに、1987年にはCFAに公認登録されることになりました。この時の繁殖家たちが行った交配は、デイリーの作出したライン(血統)に拘らず、新たにアビシニアンとシャムを使って、デイリーとは異なる血統を作出したことも多かったようです。
オシキャットはヨーロッパにも輸出されたり、イギリスやドイツでも独自に繁殖が行われ、1998年にはイギリスのGCCFにも登録されることになりました。
なお、オシキャットの繁殖については、登録団体によってアビシニアンなど作出に使われた猫種との交雑を認めている場合があります。


●オシキャットの飼い方

「犬のような性格や知性の猫」と呼ばれる種類はいくつかありますが、オシキャットもそのうちの1種です。
しつけはしやすく、呼ばれれば来る、ボールを投げれば取って来る、お座りをする、リードとハーネスで散歩ができるなど、生活習慣も犬と同様に行うことができるとされています。
遊び好きで活発、高い所も好きですが、体がやや大きいためキャットタワーは安定したものを用意しましょう。
オシキャットは甘えん坊なので留守番は苦手です。外見に似合わずやや弱気で依存心があるため、猫同士の争いでは負けてストレスになってしまうかもしれません。留守がちなお家では相性の良いほかの猫と2頭飼育をするか、面倒見の良い穏やかな犬と一緒に飼育することを検討したいものです。


●オシキャットの毛色

オシキャットは代表的なタウニーと呼ばれるブラウンスポットの他に、チョコレート、シナモン、ブルー、ラベンダー、フォーンとこれらのシルバー、エボニーシルバーの計12色が公認されています。


●オシキャットの気を付けたい病気

オシキャットは、シャムとアビシニアン、アメリカンショートヘアのハイブリッドですので、それぞれの好発疾患を引き継いでいる可能性はあります。
しかし、オシキャットのみに好発する疾患は少ないようです。
膀胱炎や皮膚疾患は、どんな猫にでも起こりやすい疾患です。膀胱炎は、おしっこの回数が増える割に量が出ない、おしっこの色が濃くなることで気づくことができます。放っておくと尿結石の原因になることがありますので、気づいたらなるべく早く、動物病院を受診しましょう。
オシキャットは優しく繊細な性格でストレスをためやすく、脱毛などの症状に表れることがあります。
留守番や、後から迎えた動物や赤ちゃんなどに嫉妬することもありますので、環境の変化には十分に気を遣ってあげましょう。

シャルトリュー

●シャルトリューの歴史

青みがかった銀色の被毛で、ロシアンブルー、コラットとともに「ブルー御三家」と呼ばれるシャルトリューは、フランス原産の猫です。元フランス大統領シャルル・ド・ゴールほか、フランス内外で多くの著名人に愛された猫としても知られており、フランスの宝とも称されています。
シャルトリューの名前はフランスとイタリアの国境地域にある地名であり、その地にはキリスト教の一派としてシャルトリューズ修道院があります。さらにリキュールの名前にもシャルトリューズというものがあり、猫のシャルトリューの起源と関連づけられたエピソードもいくつかあります。
例えば、シャルトリュー派の修道士が北アフリカから連れ帰り、修道院で飼育していた猫の子孫という説や十字軍が連れ帰った猫であるという説、またリキュールと関係しているという説などさまざまで、確定的なことはわかりません。
しかし、16世紀以降は文献や絵画にその姿が描かれるようになり、18世紀になると博物学者ビュフォンにより「フェリス・カートゥス・コエルレウス」という学術名を与えられたため、少なくともこの時期には猫種として存在していたことがうかがえます。
さらに時代が進み、世界が戦乱の時代に入るとシャルトリューもほかの純血猫同様、激減することになりました。
その理由は、多くの人たちにとって生活の負担からペットを飼育することが難しくなったこと、その上、シャルトリューの美しい被毛と大きな体が、毛皮として使いやすく人気があったという悲しい理由もありました。
戦禍の中、愛好家を中心に細々と飼われていたシャルトリューたちですが、戦後は個体数が少なく純粋猫種として復活させることが難しいため、異種交配により育種が再開されることになりました。この時、尽力したのがブルターニュで猫の繁殖を行っていたレジェ姉妹で、交配の相手に選んだのはペルシャとブリティッシュブルーでした。
そして20世紀半ば以降、個体数の増えたシャルトリューはアメリカ他海外に輸出されることになりましたが、復興のいきさつから、当初はブリティッシュブルーとシャルトリューを同じ猫種として混同する動きがあったようです。
その後、シャルトリューはアメリカの純血猫登録団体TICA、CFAや国際的な登録団体FIFeなどにも認められ、現在も世界中で愛されています。


●シャルトリューの飼い方

運動量が多い猫ですが体格が大きいため、キャットタワーもしっかりしたものを用意してあげてください。
成猫になっても遊び好きですので、いろいろなおもちゃを用意して遊んであげましょう。
また、「犬のような猫」と形容されることもあるくらい従順な性格をしていますので、コミュニケーションのためにもトレーニングに挑戦してみるのも良いでしょう。
子どもとの相性はよく、ほかの人にも素っ気ないものの攻撃的な面はありません。嫉妬深い面も少ないため、複数頭で飼育しても良いでしょう。
短毛ですが被毛は密集して厚く、風通しが悪くなりますので、週に何度かブラッシングをしてあげましょう。
また被毛は水をはじく被毛で皮脂が多めですので、体臭が強くなりがちです。シャンプーは汚れのひどい時だけでかまいませんが、できれば子猫の頃から慣らしておきたいものです。


●シャルトリューの毛色

色はブルーで、シルバーのティッピングがあります。


●シャルトリューの気を付けたい病気

比較的頑健な猫として知られているシャルトリューですが、再興の過程で導入されたペルシャの影響を受けた疾患が起きやすいとされています。その代表的な疾患に、のう胞腎があります。
これは腎臓にのう胞と言われる細かい袋がたくさんできて、その中に水がたまることで正常な腎臓の働きを障害する疾患です。最初はなんとなくだるそうにしているだけですが、次第に息切れや多尿などの症状を見せ、最終的には慢性腎不全に移行して死に至る疾患で、治療法はありません。
効果的な予防法もありませんが、なるべく水分を多く取らせて腎臓の負担を軽くし、おしっこを貯めない環境を用意してあげることが大切です。
短毛ですが被毛が厚いため、日本の高温多湿環境下では皮膚疾患が起こりやすいともされています。
こまめなブラッシングやノミダニ予防、定期的なシャンプーなど衛生管理をしっかりと行って予防に努めてあげましょう。
また、保温効果の高い被毛のため、夏は熱中症にかかりやすい傾向があります。室内で留守番をさせる時は、エアコンをつけてあげましょう。

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