ミャンマー

●近隣国の影響を受けた独自の味わい。

中国、インド、バングラデシュ、タイなど5カ国と国境を接しているミャンマー(ビルマ)は、国民の約7割を占める仏教徒の多いビルマ族をはじめとする8大部族、少数民族を含めるとおよそ135部族が暮らす多民族国家です。仏教徒のほか、少数民族の中にはキリスト教徒もいますが、いずれも食の禁忌が少ないため、料理に使われる食材はバラエティに富んでいます。鶏肉とカシューナッツやクローブ、シナモン、八角などを使ったミャンマー版ビリヤニ(スパイスの炊き込みごはん)「ダンパウ」のように、ペルシャや中国など他国に影響された料理がある一方で、スパイスとともに、レモングラスやこぶみかんの葉(カフェライムリーフ)、魚醤(ンガピャーイェー)、発酵大豆の粉(ペブヤ)といった東南アジアのハーブや調味料を使ったチキンカレー「チェッターヒン」、ポークカレー「ウェッタンシプヤン」など、この国ならではのスパイス料理も少なくありません。また中国の雲南省に接した東部のシャン州や北東部のカチン州は発酵食品の宝庫として知られ、中でも、蒸して発酵させた生の茶葉を野菜や豆に混ぜて食べる「ラペットゥ」は、ミャンマーならではの料理として広く知られています。

カンボジア

●ちょっとホットで、意外とマイルドな味わい。

カンボジアは、アンコールワットで名高いクメール王朝(802-1431年)の時代から、ポルトガル人やスペイン人、オランダ人が往来したカンボジア王国を経て、ベトナム、ラオスとともに19世紀半ばからおよそ90年間にわたって続いたフランス領インドシナ時代の影響が、今も食文化に反映された国です。タイと同様に、古来からインド人が海から訪れていたため、ポルトガル人が南米からもたらした、とうがらしとともにスパイス料理が確立されていました。またカンボジアでは上座部仏教が国教と定められており、こちらもタイのように全人口のほとんどがその信者。タイと似通った料理も多く見られます。しかし、カンボジア料理には、タイ料理ほどの強烈な辛さはなく、意外とマイルドです。たとえば、また白身魚とたまごのドライカレー「アモック」や、カンボジアならではの「クメールチキンカレー」は、レモングラスやこぶみかんの葉(カフェライムリーフ)、エシャロット入りのカレーペーストに、ココナッツミルクや砂糖などを加えた、日本人にも食べやすい味わいのカレーです。またカンボジアには、フランス植民地時代の名残りで、ライスだけでなく、バゲット(フランスパン)とカレーを一緒に食べる習慣が残っています。

シンガポール

●中華、インド、マレーが融合した独自のスパイス料理。

シンガポールは、710km2ほどの小さい国土ながら、堅調な経済状況でおいしいレストランが集まる、美食の街として名高い国です。

福建や潮州からやってきた中華系、ヒンドゥー教徒の多い南インドのタミル系、イスラム教徒が大多数のマレー系が主要な民族で、シンガポールの食文化を形成しています。現在ではお互いに影響を受けて、シンガポールならではの料理も誕生しています。その代表格が「フィッシュヘッドカレー」で、南インドのケララ州出身の人が1950年代に作ったのが始まりといわれています。フエダイなどの頭を、赤とうがらしやレモングラス、エシャロット、カレーリーフ、ターメリックなどのスパイスやハーブと砂糖で煮た、食べやすい魚カレーです。

中華系の代表格は「海南チキンライス」。しょうが、チリソース、しょうゆの3種類の調味料を添えたゆでた(もしくは蒸した)鶏肉と、鶏スープで炊いたご飯が一緒になった、食材に無駄のない、もともとは労働者のための料理でした。またココナッツミルクを使ったスパイシーな米粉の汁麺「ラクサ」は、中華とマレーの文化が融合したプラナカ

イギリス

●手間暇かけた、コクのある味わいが魅力。

イギリスのカレーは、小麦粉でルーを作ったり、ヒンドゥー教徒にとって禁忌である牛肉を使ったりと、インド本国のカレーとはかなりかけ離れています。しかしながら、手間暇かけてシチューのようによく煮込んだコク味のある味わいは、また別の魅力を放っていました。明治時代に日本海軍に伝わったイギリスのカレーが、現在の日本のカレーの礎になったのはよく知られた話です。イギリスに初めてインド料理レストランがオープンしてから200年以上が経過し、今では、第二次世界大戦以降に移住してきたパキスタンやバングラデシュの人々による店を加えて、全英に9000軒以上ものカレーのレストランが営業しています。若い世代を中心に、イギリスの全人口のおよそ3分の1に当たる2000万以上の人々がカレーを日常的に食べているといわれるほどになりました。イギリス発祥のインド料理「チキンティッカマサラ」や、パキスタンを起源とする鉄鍋の「バルチ」といったスパイス料理は、今や「フィッシュアンドチップス」などと並んでイギリスの”国民食”ともいえる存在です。

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Yuta

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