
すずきは「せいご」「ふっこ」「すずき」と、成長過程で呼び名が変わる「出世魚」。その栄養とは
すずきの旬は6~8月。
夏の代表的な白身魚として知られる。
出世魚で、生まれたては「こっぱ」、以降「せいご」「ふっこ」などと呼ばれ、3年ほどで成魚「すずき」となる。
すずきとは
すずきは北海道南部から九州までの沿岸から朝鮮半島から沿海州にかけて分布し、海だけでなく、暖かい季節には河川を遡上するものもいることでも知られています。
大きいものだと1m近くにもなると言われるスズキの寿命は10年程で、産卵期は秋から冬にかけてで、昼間よりも夜の方が活発に活動します。幼魚のうちは小さな甲殻類などを主に捕食し、大きくなると小魚も捕食するようになります。
栄養とは
主な成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。
すずきは高タンパク、低脂肪の典型的な白身魚です。良質なタンパク質には、体力向上、代謝活動の促進、免疫力を向上させる働きがあります。脂質は100gあたり4.2gと少な目ですが、高血圧を予防したり、LDL(悪玉)コレステロールの低下させる一価不飽和脂肪酸オレイン酸が100gあたり620mg含まれます。また、量は多くありませんが、血液サラサラ、抗血栓作用、認知症の予防改善効果があるオメガ3系のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)もしっかり含まれています。
ビタミン類ではビタミンA(レチノール)とビタミンB6が比較的多く含まれます。レチノールには目の健康を支える作用、粘膜や肌の健康を保つ作用、生殖作用の維持、免疫力向上、感染症を予防する作用があります。ビタミンB6はアミノ酸代謝の補酵素として重要で、健康な皮膚、髪、歯をつくり、免疫機能を正常に保つ働きがあります。
ミネラル類ではカリウムが100gあたり370mgと多く、カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので、高血圧の予防改善に役立ちます。
選び方
目が黒く澄んでいるもので、体表に艶があり鱗にぬめりがあって、エラが赤く色鮮やかなものが新鮮だと考えられる。尾の付け根がふっくらとしているもので、身や腹に張りがあって硬いものがおすすめだ。鮮度が落ちてくると、身が柔らかくなってくるのでしっかりチェックしよう。切り身の場合は、全体に透明感があり、弾力があって、皮の色が濃いものを選ぼう。