ピータンとは

ピータンとは、アヒルの卵を石灰、木灰、食塩、茶、粘土、天然ソーダなどを十分にこねて混ぜ合わせ、卵の殻の表面に塗り、数か月冷所に置いたものです。
石灰によって徐々に殻の内部がアルカリ性となり、卵白は黒茶色の透明に、卵黄は黒緑色に変色します。ピータン特有の黒光りした色は石灰のアルカリによるものだったんですね。
ピータンは中国発祥で、江蘇省や浙江省の特産品として知られています。中華料理では前菜をはじめ、ピータン豆腐や粥などアレンジして料理としても提供されます。
ピータンは基本的にアヒルの卵が使用されますが、鶏卵、うずらの卵、がちょうの卵でも作られことがあります。
独特な見た目と、アンモニアや硫化水素を含む匂いが特徴的で、好みの別れるところですね。一般的に匂いの少ない卵黄が好まれる傾向にあります。

鉄分が豊富

ピータンには鉄分が豊富に含まれています。
体内の7割近い鉄は赤血球や筋肉中のタンパク質の構成成分となっています。そして、鉄分は肺から取り込んだ酸素を全身に供給する効能があります。
鉄は体内で吸収されにくく、不足しがちな栄養です。鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血を起こすため、鉄分の摂取は貧血の予防に役立ちます。
ちなみにピータンは、鶏卵やうずらの卵よりも多くの鉄分が含まれています。

目の健康に

ピータンにはビタミンAも豊富に含まれています。
ビタミンAは、皮膚やのど、鼻、肺などの粘膜の状態を良好に保つ栄養です。粘膜を保護することから感染症を予防する効能、免疫力を高める効果が期待できます
また、ビタミンAは目が光を感じる際に必要な網膜のロドプシンの主成分となります。そのため、目の健康を保ち、夜盲症を予防する効能も期待できます。
その他、ビタミンAには、高い抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用によって有害な活性酸素を除去し、老化の予防やがんを抑制する働きも期待できます。

食べ過ぎに注意

ピータンには脂質が多く含まれています。
特に、脂質の一種であるコレステロールが多く含まれており、鶏卵の4~5倍のコレステロール含有量となります。コレステロールを多く摂りすぎると動脈硬化や脂質異常症の原因となります。
また、ピータンにはナトリウムも多く含まれており、塩分の過剰摂取は高血圧やむくみの原因となります。いずれも生活習慣病を引き起こす要因となりますので、食べ過ぎには注意しましょう。

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