どのように発症するのか?

目や鼻から花粉などの異物(アレルゲン)が侵入し、リンパ球が花粉を異物と認識すると、まず「抗体」が身体の中に作られます。 そしてその後再び花粉が体内に入ると、抗体は目や鼻の粘膜にある肥満細胞と結合します。
すると、肥満細胞からヒスタミン等の化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水・鼻つまり、目のかゆみや充血・涙などの症状が引き起こされるのです。
ちなみに鼻づまりは鼻水が詰まっている訳ではありません。鼻の粘膜が腫れて、空気の通り道が狭くなった状態です。関東地方では、スギ花粉は2月頃から飛散がはじまり4月下旬より飛散が少なくなります。
ヒノキ科花粉は3月飛散がはじまり、5月下旬まで飛散は続きます。日本では、スギやヒノキ以外にもイネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物が花粉症を引き起こすと言われています。 体質による差はありますが、花粉症の発症にはこれまでに花粉を吸ってきた量が関与するとされています。

花粉症の対策・治療

花粉量の治療には対症療法と根治療法があります。対症療法とは、今ある症状を緩和するための治療。様々な薬剤があり、症状に応じて薬剤の選択を行っています。
薬剤の投与は花粉飛散開始とともに始める初期治療が推奨されており、症状が出現してから薬剤を内服し始めるより有効であることが示されています。
根治療法とは、症状を引き起こす原因を断つ治療法。外出時にマスク・眼鏡を使用する、掃除(特に窓際)の励行、帰宅時に衣服や髪の毛を払うなど、花粉をできるだけ避けるセルフケアも大切ですが、クリニックで行う根治療法としては「減感作療法」と呼ばれる治療法があります。

ヒスタグロビンによる非特異的減感作療法とは?

ヒスタグロビンという薬剤には、アレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑える作用やヒスタミンに対する抵抗力を与える作用、アレルギー症状の悪化・慢性化を引き起こす好酸球の浸潤を抑える作用などがあり、花粉症の非特異的減感作療法としても用いられています。
アレルギー性鼻炎に対しては 6~7割程度の有効率とする報告があります。この薬剤は、日本で採血された血液が原料となっています。血液を原料とした製剤であることから、ウイルスを取り除く処理を行っており、現在までにこの注射によるウイルス感染は確認されていません。

今から備えましょう

ヒスタグロビンは通常、成人は週1~2回、小児は週1回、皮下に注射します。花粉症では、3回または6回を目安とし、効果を見ながら更に使用期間を決めていきます。
効果が現れるまでには時間がかかるため、2月からのスギ花粉症シーズンに備えて早めに始められることをお勧めします。

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