血糖値が高いと・・・?

「血糖値が高いと肥満になりやすい」「血糖値が高いままの状態は体によくない」など、糖質の摂り方を考えさせられる内容を耳にする機会が増えてきた昨今。とはいえ、ストイックに糖質を制限したり、運動を取り入れたりするのは……という方も多いのではないでしょうか。また、血糖値のアップダウンは自覚症状が少なく、自分ではなかなかわからないものです。

血糖値の異常は何故起こる?

通常、血糖値が上がると、体は膵臓で「インスリン」を分泌し、上がった血糖値を下げようとします。ただ、この働きがうまくいかなくなる原因がいくつかあります。
①食生活
炭水化物や糖分の多いものをたくさん摂ると、インスリンの働きが追いつかなくなったり、膵臓がオーバーワークになり血糖値が下がらない状態に。また、食事の時間が不規則なのも、膵臓の調子を崩してしまう原因になります。
②肥満
内臓脂肪が糖や脂質の代謝を鈍くして高血糖にしたり、また脂肪肝によるホルモンの過剰な産生がインスリンの効きを悪くすることもあります。
三つ目に、運動不足やストレス。筋肉量の減少による基礎代謝の低下が、ブドウ糖の代謝を鈍くし血糖値を上げたり、ストレスが自律神経のバランスを乱し、インスリン分泌を鈍らせます。
③遺伝
血糖値が上がりやすい体質、インスリンの働きが低下しやすい体質は遺伝します。近親者に糖尿病の方がいる場合は注意しましょう。高血糖にしたり、また脂肪肝により過剰に生産されるホルモンの異常がインスリンを効きにくくすることもあります。

血糖値が高い状態を放っておくと?

常に血糖値が高い状態が続くと、満腹と空腹のシグナルが正常に働かなくなり、過食や肥満につながります。肥満は高血圧や心臓病、動脈硬化などさまざまな病気を引き起こしますが、中でも恐いのが糖尿病です。糖尿病はインスリンの量が減ったり、作用しなくなる病気ですが、血糖値が上がることでさらに合併症を引き起こす可能性があります。三大症状として、悪化すると失明することもある糖尿病性の「網膜症」、腎不全や尿毒症など生命にかかわる重篤な症状を引き起こす「腎症」、神経伝達機能が低下し、足の潰瘍や壊疸により最悪の場合足を切断することもある「神経障害」があります。
高血糖を防ぐために気をつけたいことの第一は何といっても食事です。食べ過ぎがよくないのは言うまでもないことですが、何を、どのくらい、どのように食べるかによって、血糖値の上がり方は変わってきます。
体作りと生命維持に欠かせない3 大栄養素「糖質」「たんぱく質」「脂質」のうち、食後の血糖値を上げやすいのは糖質です。まずは糖質過多にならないように注意を。

血糖値を急上昇させないために

①野菜を最初に食べる
食事はまず野菜から。サラダや温野菜、野菜スティックがおすすめ。その後から 食べる糖質の吸収がゆっくりになっていきます。

②糖質中心の食事に注意
うどん+かやくご飯、パスタ+パンのような、糖質が主体のメニュー2 種を一度に食べるのは考えもの。野菜不足も心配です。

③食べ過ぎ、糖質の摂り過ぎに注意
目指すは「腹八分目」。糖質を控えめにしても、肉や揚げものなどから脂質をとり過ぎないように気をつけましょう。

④食事は抜かず、夕食を早めに食べる
欠食すると、次の食事で食後高血糖を起こしやすくなります。遅めの夕食は、寝ている間の高血糖と肥満のもとでもあります。

⑤よく噛んで、ゆっくり食べる
満腹感が高まり過食が抑えられるとともに、かむことで腸からインスリン分泌を促すホルモンが出てきます。

無理なく、体を程よく動かすには

①通勤時に一駅分(20分程度)歩く
朝、一駅先まで歩くもよし、帰りに一駅手前で降りて歩くもよし!

②昼休みは極力歩く
ちょっと遠い店まで歩いて行ってランチをし、帰りは自ずと”食後の運動”になります。

③2up 3downまでは階段で
上りは2階分、下りは3階分までは、エスカレーターやエレベーターより階段を使いましょう。

④出かけない日は、極力体を動かす
どこへも出かけない日は、家の掃除や模様替え、物置の整理整頓などにいそしみましょう。

⑤歩数計を持とう
歩数計を身に着けるだけで「歩こう」というモチベーションが高まります。

関連するまとめ

1日にとりたい野菜は350g。では、たんぱく質は何g必要か知っていますか?

株式会社 学研プラスは、料理書籍『体にいい!栄養バランス満点のおいしい献立』(岩﨑啓子・著)を、2019年5…

健康野菜の代表格!花言葉が”健康”の「ほうれん草」

栄養豊富で健康野菜の代表格である「ほうれん草」。昔、「ほうれん草」を食べてパワーアップするポパイというアニメ…

関連するキーワード