鮭の力
味噌汁・海苔・納豆・卵とともに、日本の朝ご飯の定番とも言える鮭。勿論朝食だけではなく、おむすびの具材やお茶漬けなどにも利用されますし、塩焼き・ムニエル・フライ・新巻鮭・刺し身・寿司と和洋も調理法も問わず幅広いレシピに使える親しみのある食材です。身の部分の活用がしやすいのは勿論ですが、アラはアラ汁に、卵はイクラに、頭は氷頭なますにと“捨てるところがない魚”と言われています。
ビタミンDが豊富
鮭にはビタミンDが豊富に含まれています。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促す栄養です。カルシウムやリンの吸収を促すことで、骨を健康に維持したり、強くしたりする効果があります。
また、ビタミンDには血中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあるため、カルシウムの働きである神経伝達や筋肉の収縮をスムーズに行う手助けをします。
ちなみに、鮭と牛乳の組み合わせは効果が絶大です。
牛乳にはカルシウムが含まれていますが、乳糖やカゼインペプチドという成分も含まれており、これらの成分が吸収しにくいカルシウムの吸収を高める働きがあります。
つまり、カルシウムの吸収率の高い牛乳とそれを促す効果がある鮭は、とっても良い組み合わせなんです。レシピとしては、鮭と牛乳を使ったクリームシチューや鮭と野菜のクリーム煮などがおすすめです。
疲労回復
鮭には「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」という疲労回復物質が含まれています。イミダゾールジペプチドはアミノ酸のヒスチジンとアラニンが結合したもので、魚に含まれているのは“アンセリン”と呼ばれる結合構造のものが多くなっています。イミダゾールジペプチド(アンセリン)は抗酸化作用や疲労物質とされる乳酸の代謝を促すことで疲労回復に役立つと考えられています。
疲労感は肉体・精神(脳)共に負荷がかかことで活性酸素が発生し、その結果として生じる場合も多いと考えられています。活性酸素発生を抑制することで疲れにくくなると言う報告もありますから、イミダゾールジペプチド(アンセリン)は運動時などに生じる肉体疲労だけではなく脳疲労や慢性疲労症候群の予防・改善にも効果が期待されています。またイミダゾールジペプチド(アンセリン)は本来“長時間動き続ける”ために合成された成分ですから持久力や運動機能向上にも役立つと考えられていて、鮭由来のイミダゾールジペプチド(アンセリン)は疲労回復や運動持久力向上効果が期待できる成分としてサプリメントなどにも配合されています。
痛風予防
鮭に含まれているイミダゾールジペプチド(アンセリン)は尿酸値の低下作用が報告されています。痛風の目安としてよく耳にする尿酸は“プリン体”の代謝過程によって発生する物質で、血中濃度が一定量を超えると過剰分の尿酸が結晶化して関節部分に付着します。尿酸値が高いというのは、この結晶化が起こっている可能性があるということです。この結晶が運動・ストレスなどによって関節液の中にはがれ落ち、それを異物と見做して免疫反応が起こることで痛風発作という激しい痛みが起こります。
イミダゾールジペプチド(アンセリン)はこの尿酸の生成を抑制する・尿として体外への排出を促すという二つの働きがあると考えられています。このため尿酸過剰による尿量低下や痛風の改善に効果が期待されています。尿のpHをアルカリ性に近づけ尿酸値低減に役立つと考えられている「フコイダン」を含むモズクやメカブなどの海藻類と合わせて摂取すると相乗効果も期待できるでしょう。
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