緑茶輸出数量、東京税関のデータでは2017年が過去最高

東京税関の2018年4月の発表によると「緑茶」の輸出数量・金額は年々増加し、2017年は過去最高の数量と金額を記録しました。(データ①)その中でも緑茶輸出金額の4割以上を占めるアメリカでは、健康志向の高まりや日本食ブーム等を背景に、2013年より毎年輸出額が上昇しており、他国と比較しても輸出金額の上昇率が高いことが分かります。(データ①~③:東京税関より(平成30日4月18日))

現在アメリカのカフェでは緑茶や抹茶を扱う店が増え、メニューも多様化しています。またコンビニやスーパーでも以前は加糖の緑茶が主流でしたが、今は無糖の緑茶や、フレイバーミックスなど様々な緑茶飲料が販売されています。日本メーカーの緑茶飲料が棚に並ぶ店も多いです。サンフランシスコの大型スーパーBerkeleyBowlでは、ヘルシー志向で無糖のお茶を求める人が多くなったためアジアンティーコーナーを設置。特に日本の緑茶飲料の売上げが伸びているようです。

ヘルシー志向の高まりで、無糖の緑茶が北米でも人気に

アメリカでお茶と言えば加糖の甘いものが主流で、緑茶も砂糖が入っているものが長年、人気でした。しかし近年ヘルシー志向が高まり、無糖のお茶を飲む人が多くなっています。サンフランシスコを中心にスーパーやコンビニ、企業などに飲料を卸している問屋のBayco_Vendingでは、日本メーカーの「お~いお茶」の販売数が2012年ころから急激に伸びている。今年、2018年は8月時点で過去最高数量と並ぶ販売ケース数となり、年末には確実に過去最多数を記録する見込み。さらに2019年以降も順調に販売数が推移する見込みであるとのこと。

サンフランシスコでは先端技術×日本文化で最新のお茶サービス

日本貿易振興機構(ジェトロ)が2017年6月に発表した報告書によると、サンフランシスコは健康志向とオーガニック志向の強い地域で、体に良いものにこだわる消費者が多く、オーガニック商品を取り扱うスーパーマーケットも多い市場です。また、知的水準と所得水準が高い地区でもあり西のボストンと称されています。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、医学系最高峰カリフォルニア大学サンフランシスコ校などが集まり、南方にはシリコンバレーがあり、優秀な人材が多い地域でもあると位置づけられています。そのサンフランシスコのマーケットに注目して進出する企業も多いようです。2017年にオープンしたCafe Xもその1つ。スマートフォンから注文するとロボットがアーム1本でコーヒーを入れてくれる最新のコーヒースタンドとして人気を博しています。見た目のインパクトや目新しさではなく、本当においしいものを、速く、効率良く提供することを目指したこの店には開店から1年以上たった今でも多くの人が来店します。このCafe Xでは抹茶ラテもメニューにありますが、コーヒーに次いで2番目に売れる人気メニューなのだそうです。

福利厚生で社員に緑茶を無償提供する企業が多数。

有名な大企業を初め、先端技術を提供するベンチャー企業など、世界で注目を集める企業が多く集まるサンフランシスコやシリコンバレーでは、福利厚生の一環として、社員に飲料や食料を無償で提供しているケースが多いです。中にはランチまで無料で食べられる企業もあります。社員に提供する商品は、人気があるというだけでなく、社員の健康を意識して推奨するものも取り入れられることが多いようです。飲料では近年、無糖のものが選ばれる傾向にあり、水や緑茶が多くの企業の共有の冷蔵庫に設置されるようになりました。Google社やTwitter社、『PokémonGO』の開発で有名になったテクノロジーカンパニーのナイアンティック社でも、社員の健康を促進するために、日本の伊藤園の「お~いお茶」が導入されています。

緑茶はワークコンディショニング飲料

ナイアンティック社の社員にインタビューすると、お茶のスッキリ、クリアな味が好きという声が多く挙がりました。また味以外に、仕事への影響に対して言及する声も多かったようです。緑茶のカフェインで頭をスッキリさせたい、次の作業に取り掛かる際の気持ちの切り替えや、リフレッシュするために緑茶を飲んでいる人が多くいました。仕事中にコーヒーの代わりとして飲んでいると言う人も多くいました。ゲーム開発大手のUbisoft社に勤めているJosh Milligan氏は、オフィスで朝から午後2時までに「お~いお茶」のペットボトル(500ml)を毎日8本飲んでいるそうです。年間約3,000本を消費していることになるが、そのくらい生活にも仕事にも欠かせないアイテムになっているとのこと。またベンチャーキャピタリストのRon Drabkin氏も投資家として色々なIT企業のオフィスに行くが、Google社やFacebook社、Twitter社などでも「お~いお茶」が飲まれていることを実感しており、自身もリフレッシュなどの効果を感じていると話していました。シリコンバレーでは緑茶が一歩先行く“ワークコンディショニング飲料”として親しまれていることが分かりました。健康志向が著しく高まっているアメリカでは野菜の摂取量も日本より多いようです。健康飲料として活躍している日本の緑茶の今後の推進に注目したいですね。

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