日本人の野菜摂取を阻害する主な要因は? 野菜不足の要因に関する意識調査
厚生労働省が平成28年「国民健康・栄養調査」にて発表した成人1日の野菜摂取量の平均は276.5gで、目標の350gを下回っており、野菜不足は深刻な問題となっていることがわかりました。
8月31日は「野菜の日」野菜不足の要因に関する意識調査
カゴメ株式会社は、8月31日が「野菜の日」であることをうけて、都道府県別の野菜摂取量の実態を明らかにしつつ、野菜摂取を阻害している要因を探るべく、事前調査において全国の20~69歳の男女計9964人に対し野菜摂取量の調査を実施し、その都道府県ランキングを元に各都道府県の20~69歳の男女計7100人に対し「野菜不足の要因」に関する意識調査を行いました。
今回の調査では、日本全国の 日の平均野菜摂取量は 119.2g(2 皿弱)※となり、目標とされている350g(5皿)を大きく下回りました。目標達成者の母数が少ない為、今回の調査で出た1日の平均野菜摂取量約120gより多いか少ないかで回答者を分類。両者の比較結果を都道府県別にまとめているようです。
※この調査では、基準となる1皿70g分の野菜の写真を調査対象者に見せ、朝食/昼食/夕食/間食・夜食の各食事において何皿分の野菜を食べているかを聴取。「朝食 1/2 皿=35g」、「2 皿=140g」といったようにg数に換算して合計し、1日の野菜摂取量を算出しています。
日本人の野菜摂取量
日本全国を対象に、野菜摂取量を導き出すための事前調査(全国の20~69歳男女計9964人)を実施し、調査対象全員の1日の野菜摂取量を調査したところ、厚労省が推奨する理想的な野菜摂取量である350g以上を大きく下回る 119.2g と半分以下という結果となりました。
1日の平均野菜摂取量を都道府県別に見たところ、平均野菜摂取量ベスト3が1位「長野県(140g)」、2位「山梨県(135.5g)」、3位「群馬県(134.7g)」という結果となりました。また、ワースト3に関しては47位「愛知県(99.5g)」、46位「富山県(103.8g)」、45位「石川県(104.9g)」となり、1位の「長野県」と 47位の「愛知県」との差が40g以上あるということがわかりました。ワースト3に入ってしまった県ではなぜ野菜の摂取量が少ないのでしょうか?
日本人の野菜不足の要因分析
今回の調査で導き出された日本人の1日の平均野菜摂取量約120gより多い(野菜摂取量平均以上層)か少ない(野菜摂取量平均未満層)かで回答者を分類。その野菜摂取量の平均以上層と未満層を分ける調査設問の影響度(=野菜摂取量が平均以上・未満になる要因)について、野菜摂取量の平均以上層と未満層を最も大きく分類する設問ごとに繰り返し分析していく、決定木分析※を実施。決定木分析の中で、野菜不足になりがちな要因(=野菜摂取量平均未満層の割合が多くなっている回答)を導き出していくと、日本人において野菜摂取量平均未満の割合が最も多くなるのは、「①平日朝食の品目数」の少なさと「②栄養バランスの意識」の低さが重なっている場合であることがわかりました。その他、野菜摂取量を左右する傾向の高い要因として、「③高価格からの野菜回避」、「④野菜調理の手間」、「⑤野菜好き嫌い」などがあることがわかりました。
野菜摂取量ワースト3各県に関する分析
「野菜不足になりがちな要因」に関して、野菜摂取量都道府県別ランキングワースト3各県と、ベスト3の県の平均値の調査結果を比較。ワースト3各県それぞれの詳細結果を見ることで、各県の特徴を分析したところ、ワースト3各県ではやはり全体的に「日本人が野菜不足になりがちな要因」が強く見られる傾向にあった一方、「富山県は平日朝食の品目数が多い」、「愛知県は栄養バランスの意識が高い」等、特徴的な傾向があることもわかりました。
「愛知県」は平日朝食の品目数が少なく、野菜の調理は手間だと思っている人の割合も多い一方、栄養バランスへの意識は高めで、高価格による野菜の買い控えは少ない傾向に。「富山県」は高価格による野菜の買い控えをする傾向は高いですが、平日朝食の品目数は多く、「石川県」は栄養バランス意識はワースト3県の中でも最も低いですが、高価格による野菜の買い控えをする人は少ないようです。
その他「野菜好き嫌い」の要因に関して、野菜摂取量ベスト3の平均に比べてワースト3各県は「野菜が好き」な割合が全体的に少なく、その差が顕著に現れており、野菜の好みがそのまま野菜摂取量に直結している傾向にあります。また、ワースト3の中でも「愛知県」が 38.3%と最も少ない結果となってます。
今回の調査結果について、県民性研究の第一人者で「県民性博士」とも呼ばれる矢野新一先生は「47都道府県中、最も野菜摂取量の少ない県が愛知県となったのは、まず外食が多いことが関係しているのではないかと思います。外食が多い理由としては、他の地域以上にファミリーで行動する傾向が高いことが挙げられます。また、愛知県には喫茶店での独特な朝食文化「モーニング」があります。「モーニング」の基本的なメニューはトーストとゆで卵になり、それが朝食の品目数の少なさ、ひいては野菜不足の一因となっているのかもしれません。」とコメントされてます。
野菜不足を補うのに役立つポイント
今回の調査に関して、料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリストの関口絢子先生は、野菜不足になりがちな要因について「朝食での野菜不足の要因を推察すると、一汁三菜の和食スタイルから、パン、シリアル、ヨーグルトといった加工品が強く定着してきた事も一因だと考えられます。」と述べてます。野菜不足を補うポイントとして「朝食でいかに野菜の摂取量を増やすかが鍵となります。本来なら新鮮な野菜を摂る事が望ましいのですが、現実的には、時間がない、調理が面倒など、さまざまなハードルがあります。野菜不足を補うのに役立つテクニックとしては、野菜ジュース、トマト缶詰、トマトソースなど、野菜の加工品を活用すると共に、野菜の常備菜、作り置きできる野菜スープを朝食に導入するのも方法の一つではないでしょうか。さらに野菜を美味しく楽しく食べるための簡単レシピを覚えておくなどして、個々のライフスタイルに併せた、野菜を使用した料理を食べていくことが必要だと思います。」とコメントされてます。
忙しい毎日で野菜を調理することは大変ですが、「野菜加工食品」や「野菜調味料」、「野菜飲料」を使用する事で、調理の手間も軽減し、手軽に野菜を摂取できる野菜料理を作ることが出来ます。摂取量ベスト1の長野県でも140gと350gにはまだ足りていません。普段の食生活をもっと野菜中心にして深刻化している野菜不足を解消しましょう。
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※樹木状のモデルを使ってデータを分類し、目的変数(当調査においては、野菜摂取量が平均未満か平均以上かどうか)に影響を与えた要因(説明変数)を分析する代表的なデータマイニング手法のひとつ。野菜摂取量の平均以上層と未満層を最もよく分類する要因から機械的に分岐を導き出していく。(野菜摂取量に直結する可能性の高い設問は除外)