なぜ「食中毒」は夏場に多い?
梅雨時や夏の間、日本では蒸し暑い日が続きます。そんな季節に注意したいのが「食中毒」です。
「食中毒」の原因
「食中毒」の主な原因は、細菌とウイルスです。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは低温や乾燥した環境中で長く生存します。ウイルスは、細菌のように食べ物の中では増殖しませんが、食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
なぜ「食中毒」は夏に増えるのか?
この「食中毒」が夏場に増えるのは高温多湿な環境が一つの原因です。食中毒を引き起こす最近の多くは室温(約20℃)で活発に繁殖し始め、人間の体温くらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。また細菌の多くはジメジメとした湿気を好むため、湿度も高くなる梅雨ごろから食中毒が増え始めます。
加えて、夏バテなどによる体の抵抗力の低下があげられます。細菌が少量であれば、食べても胃液により殺菌され、食中毒は発病しません。しかし水分を大量に摂取したことで胃液が薄まっていたり、胃薬によって胃酸の分泌が抑えられていると、十分に殺菌されず、食中毒になりやすくなるのです。
「食中毒」予防の原則とは
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。また、ウイルスの場合は、食品中では増えないので、「増やさない」は、当てはまりません。ウイルスは、ごくわずかな汚染によって食中毒を起こしてしまいます。ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことがきわめて重要になります。そのようなウイルスに汚染されていない調理環境をつくるには、調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」ことが大切です。すなわち、ウイルスによる食中毒を予防するためには、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、食べ物にウイルスを「つけない」、付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」という4つのことが原則となるので、これらを心がけましょう。
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