現在、れんこんを食材としているのは、日本と中国などのわずかな国々で、れんこんの歴史をさかのぼると、日本には縄文時代以前から自生したとのこと。また、大陸から海を渡ってきた歴史は、「常陸風土記」、「延喜式」に記されています。食用としての最古の記録は10世紀になるそうです。今回は、レンコンの栄養と効果について記載していきます。

種類

① 日本れんこん
奈良時代に中国から伝えられた。味が濃く柔らかいが、栽培の手間がかかるため、現在収穫量が極端に少なくなっている。

② 岩国れんこん
山口県岩国市の特産。穴の数が普通のものより1つ多く、全部で9つ開いている。大型で太く、粘りがあるのが特徴です。

③ 備中種
徳島などで栽培されている中国種の一種。筋の間が長く、全体的に細めですらっとしている。肉質はきめ細かく、関西を中心に人気が高い。

④ 中国種
現在各地に出回っているれんこんの大半が、この中国種。明治以降に入ってきた品種で、地下茎が浅いところで収穫でき、病気にも強いため、急激に普及した。見た目はずんぐりと太くて短い。色は白っぽく、肉厚。

⑤ 加賀れんこん
金沢の伝統野菜。やや細めで、穴が小さい。デンプン質が多く、モチモチとして粘りが強い。

栄養と効果

① ポリフェノール
ポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素が増え過ぎると、動脈硬化や生活習慣病、老化などの原因になるといわれており、ポリフェノールの抗酸化作用はそれらから私たちを守ってくれる成分と捉えることができます。れんこんを切ってしばらくすると切り口が黒や茶色に変色するのは、ポリフェノールの一種であるタンニンの作用によります。れんこんには、タンニンをはじめとする種々のポリフェノールが含まれているほか、同じく豊富に含まれるビタミンCにも抗酸化作用があります。いつまでも健康的な血管を保ち、若々しくいたいという方にとって、れんこんはおすすめの食材なのです。

② ビタミンC
ビタミンCは、髪の毛や爪、皮膚などを作るコラーゲンの生成になくてはならない栄養素です。また、免疫力の維持にも重要な役割を果たしていることや、植物由来の鉄分の吸収率を高め、貧血予防にも効果的であることなど、特に女性には嬉しい働きの多い栄養素とも言えます。ビタミンCは水に溶ける性質があるため、れんこんを長い時間水にさらしたり、ゆで過ぎたりしないよう注意しなければなりません。

③ カリウム
カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する作用や、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防ぐ働きがあります。多くの日本人は日々塩分を取り過ぎている傾向にあるため、カリウムの積極的な摂取は、高血圧をはじめとする生活習慣病予防にとってとても重要です。また、カリウムは余分なナトリウムを排出することで、体のむくみを防ぐ働きもあります。カリウムはビタミンCと同様に水に溶け出しやすいため、れんこんの下ごしらえの際には長時間水にさらさないことや、加熱の際にはゆで過ぎないように注意することが大切です。

④ 食物繊維
れんこんには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、お通じの改善に役立つため、普段便秘気味の方や、便秘になりやすい妊婦の方にとって欠かせない栄養素です。食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維がありますが、れんこんは不溶性食物繊維を多く含んでいます。不溶性食物繊維には、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、お通じをスムーズにする働きがあります。食事の際には不溶性食物繊維だけでなく、水溶性食物繊維もバランス良く取ることで、お通じ改善にはより大きな効果を発揮します。そのため、れんこんには海藻や大麦、果物など水溶性食物繊維を多く含む食材と一緒に調理したり、それらを使った料理を併せて食べたりすると良いそうです。

保存方法

れんこんは、元々水の中で生きているため、乾燥が苦手です。保存の際は、極力空気に触れないようにし、乾燥から防ぐことがポイントです。一節そのまま保存する場合、水で湿らせた新聞紙で丸ごと包み、ビニール袋やキッチン用ポリ袋に入れて冷蔵庫または冷暗所で保存しましょう。泥付きのれんこんは泥付きのまま保存することでより長持ちするそうです。
皮をむいた場合は、空気に触れてどんどん黒ずんでしまいます。そのため、れんこん全体が水に浸かるように密閉容器で保存しておくことで変色を避けることができます。ただし、れんこんのビタミンCが水に溶け出てしまうので、翌日には食べきるのがいいそうです。

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