第二の心臓「ふくらはぎ」が持つ、ポンプ機能とは
足は「第二の心臓」と呼ばれています。全身のツボが集中している足裏という説もありますが、一般的には「ふくらはぎ」を指すことが多く、これは「ふくらはぎ」には心臓のようにポンプ作用があり、血液を心臓に送り返す機能を持つことに由来しています。
第二の心臓「ふくらはぎ」が血液循環を良くする!
血液は動脈と静脈を通って全身を循環していますが、心臓から送り出される新鮮な血液は、動脈を通り全身の各器官に酸素や栄養を届けられ、この動脈を通る血液は、心臓のポンプ作用のおかげで力強く全身に送り出されます。そして、全身へ送られた血液は、各器官から二酸化炭素や老廃物を吸収し、毛細血管と静脈を通り心臓に戻ってきます。
静脈を通る血液は、動脈に比べ心臓に押し返される力が弱くなっています。それでも、動脈の流れの影響を受けて押されたり、呼吸によって圧力がかかる作用で押し出されたりするため、心臓に近い血液であれば、問題なく心臓に戻ってきます。また、心臓より上方の血液は、重力により心臓に戻ってくることができます。ところが、とくに下半身の血液というのは、心臓から遠いうえに心臓よりも下方を流れていますから、心臓に戻る力が弱くなってしまいます。
この血液を押し出す力をアシストするのが、静脈の逆流を防ぐ弁と、「ふくらはぎ」が持つポンプ機能です。筋肉が収縮すると、その圧力で血液が心臓に送り出され、反対に筋肉が緩むと、弁が閉じて血液の逆流を防ぎます。このような働きのおかげで、血液のスムーズな循環が保たれているのです。
「ふくらはぎ」のポンプ機能が低下すると、、、
この「ふくらはぎ」のポンプ機能が衰えると、血液を心臓に戻す力が弱まります。そうすると、血液が下肢の静脈にとどまり、静脈内部の圧力(静脈圧)が高まって、拡張してしまいます。その結果、弁の機能は低下し、血液が逆流します。血液が逆流すると、今度は血液内の水分が細胞にたまり、むくみの症状がでてきます。
また、このような状態を放置すると、静脈瘤(静脈が伸びたり、曲がったりして膨れてしまう)や、皮膚の色素沈着、皮膚潰瘍(静脈瘤が悪化して皮膚に穴が開いてしまう)などの病気(静脈還流障害)に至る可能性もあるんです。
「ふくらはぎ」のポンプ機能を衰えさせないために、、、
血液循環が良くなれば、全身に送られる血液量が増え、全身の細胞に十分な栄養や酸素を送ることができます。病変部がある場合、血液がたくさん流れて回復が促されると同時に、自己治療の作用を高めることができます。これにより、免疫力を高めたり、ホルモンが筋肉や毛細血管に流入するのをサポートしたり、自律神経の働きを良くしてくれます。また基礎代謝を高め、新陳代謝を良くし、体温を上げることで、細胞を若返らせたり、脳細胞の活性化、乳児の免疫力を高め、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、風邪などを改善する効果が期待できます。
「ふくらはぎ」のポンプ機能を衰えさせないためにはいくつかポイントがあります。まず、長時間の同じ姿勢でいないことで、これは血液の循環を悪化させます。デスクワークや立ち仕事など、仕事柄、長時間同じ姿勢という方は多いと思いますが、休憩時間にストレッチなどをして、意識的に血流を良くするように心がけましょう。
また静脈還流障害の要因として、肥満も挙げられています。健康診断などで「肥満」を指摘されている方は、普段の食生活を見直しましょう。
そして何より、「ふくらはぎ」の筋肉を意識して使うことも大切です。とくに、ふくらはぎの筋肉を使うつま先立ちはおすすめです。つま先立ちをした状態でかかとを上下するなどの動きを加えると、さらに良いそうです。
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