日本でも多くの人が悩まされているという「ドライアイ」。その原因、緩和方法とは?涙の持つ役割を考えます。

眼の乾き、ドライアイ

眼が疲れやすい、あるいは何となく眼に不快感を感じるという人が増えているようです。テレビ、パソコン、スマートフォンなどに囲まれ眼が酷使される機会が多いため、疲れ眼など眼に不快感があると、仕事だけでなく、日常生活でも大変不便を感じます。このような疲れ眼などの原因として挙げられるのが、眼の乾き「ドライアイ」です。
あなたの眼の不快感は、実は眼を使い過ぎたためばかりでなく、もしかしてドライアイが原因かもしれません。
ドライアイは自分では気がつきにくく、「なんとなく眼が疲れる」といった症状で病院に行く人が多いようですが、放置しておくと眼病のもとになるので、早めに専門医に見せるとよいでしょう。

眼は、なぜ乾いてしまうのでしょうか?
涙は、泣くとき以外にも普段少しずつ出ていて、眼の表面の保護や、栄養分・酸素の供給、ゴミ・細菌の侵入を防ぐなどのはたらきをしています。この涙が乾いてくると、角膜の上にドライスポットという、穴のような物があいてしまいます。通常であれば、そこをすぐ涙がおおい、やがて穴は塞がっていくのですが、ある一定以上に涙が減り続けると、穴は残ったままとなり、最も傷つきやすい角膜が露出します。また、私たちの眼全体に涙をゆきわたらせてくれるのが瞬きなのですが、パソコンなどを凝視すると、瞬きは通常の1/4にもなります。

ドライアイを防ぐ・進行させないために

ドライアイを防ぐ・進行させないための基本は、眼を乾燥させないことです。そのためのケアの一部をご紹介します。眼が乾いていると感じる方はお試しください。

●目薬を上手に使う
眼を乾燥させないためには、やはり目薬です。目薬にもいろいろな種類がありますが、いちばんいいのは眼科で処方してもらうこと。市販されているものは防腐剤が入っていないものを選ぶよう注意しましょう。
通常、目薬は開封した後に非常に細菌感染を起こしやすい構造になっており、カビが増殖しやすいため防腐剤が入っていることが多くなっています。目薬を使用したときに眼にしみると感じるのはこのせいです。ドライアイの場合には、眼の表面に傷がついている場合が多く、また防腐剤を洗い流すだけの涙が足りないために悪影響を及ぼす場合もあります。よって、防腐剤が入っていないかどうかを確認して購入し、開封後は早めに使い切りましょう。

●何よりリラックス!

涙腺は、リラックスした時に優位になる副交感神経によってコントロールされています。従って、くつろぐことで涙が出ます。逆に緊張していては眼が乾きます。車で出かける時などは、余裕あるドライビングをしましょう。運転中は無意識に緊張が高まり瞬きも減少し、さらに眼が乾きます。風が眼に直接あたるのも避けるようにしましょう。

●コンタクトレンズは出来るだけ使わない

初期なら使うこともできますが、基本的におすすめできません。本来は常に新鮮な涙が供給されていなければならないところ、コンタクトで角膜にフタをした状態では、瞬きによる涙の交換率がハードで約20%、ソフトでは2~3%にもなってしまいます。

●ドライアイ用眼鏡を使用する

顔と眼鏡のすき間を、プラスチックのカバーでおおった物です。水をふくませるスポンジが内側についた物もあります。たかがカバー?と侮るなかれ!かなりの効果があります。ゴミや花粉も防ぐことができます。外出のほか、パソコン用としても良いでしょう。

●たばこの煙を避ける

たばこの煙もドライアイの大敵です。吸っている人がいた場合は、その煙が眼に入らないようにします。眼は煙の粒子を洗い流そうとしますが、ドライアイの人には相当の負担となります。自分が吸っている人は、この際、禁煙しましょう。

●徹夜作業はやめよう

人間は夜になると涙の出る量が少なくなり、朝にはカラカラ状態になります。頭や体は起きていても、眼があけられない!という事態もありえます。こんなとき、無理をしてあけると角膜に傷がつきます。目薬をさすなど、行いましょう。

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