酢の種類もいろいろあります。
巣の種類もいろいろです。
酢は、世界各国でさまざまな原料や製法で作られていて、種類もとても豊富。では酢にはどんな種類があるのだろう?
酢の分類
調味料の中で、塩とともに最も起源が古いといわれる酢(ビネガー)。古くから世界各国でその地域の主要な農産物を原料にして作られていた。原料や製法によって、種類も豊富で、今では4,000種類以上あるとか。
酢の種類はお酒とも深い関係があり、アジア圏では主に米酢などの穀物酢が、フランスやイタリアではワインビネガーが多く使われている。日本では酢といえば米酢が一般的だが、近年の健康ブームにより、さまざまなタイプの酢が入手しやすくなっている。
黒酢とは?
酢の健康ブームの火付け役となった黒酢だが、本来「黒酢」とは、鹿児島県姶良(あいら)郡福山町でおよそ200年前から独自の製法で作られている酢のことを指す。黒酢の特徴は、なんといってもその発酵・熟成期間が長いことだ。米酢はたいてい3ヵ月前後で作られるのに対して、黒酢は1~3年間もの長い時間をかけて、発酵、熟成される。さらにこの工程をすべてひとつの壺の中で行うという方法は、世界でも珍しい作り方だ。
しかし、これまで黒酢には明確な定義がなかったため、色が黒いというだけで異なった品質のものがすべて「黒酢」として販売されていた。このため2003年、農林水産省により黒酢のJAS規格が作られた。これによると、黒酢とは「穀物酢のうち、原材料として米(精白していないもの)もしくは大麦を、酢1リットル当たり180g以上使用し、かつ発酵や熟成によって(黒)褐色になったもの」。今後これらは「米黒酢」、「大麦黒酢」と商品に記載されるので、よい黒酢選びの参考にしよう。
もろみ酢
最近よく見かけるようになったもろみ酢だが、意外にもその歴史は浅いようだ。もろみ酢は、沖縄の地酒、泡盛と深く関係がある。泡盛は米(タイ米)と黒麹を合わせて発酵させ、できたもろみを蒸留したもの。一方、もろみ酢は泡盛を蒸留したあとのもろみ(酒粕)から抽出したものだ。実は、この泡盛のもろみはこれまで多くが捨てられたり、豚の飼料にされていた。しかし、近年注目されているクエン酸を豊富に含むことがわかり、その価値が見直された。今では健康食品としての開発に力が入れられている。
海外の黒い酢
中国黒酢(香醋)
中国黒酢の製法は日本の黒酢と似ている。というのも、酢の製法は中国から伝わったといわれているのだ。中国黒酢の原料は、主に米、大麦、コーリャンなどで、ひとつの壺で6ヵ月以上熟成して作られている。中国黒酢のなかでも特に有名なのが、江蘇省の鎮江で作られる香醋。香醋は約300年前から続いており、原料はもち米、麹、塩。つやのある黒色が特徴だ。なお、中国黒酢はJAS規格の黒酢の中には入っていない。
バルサミコ酢
バルサミコ酢と呼べるものには、実は厳しい基準がある。まず作られているのは北イタリアのモデナ地方だけ。しかも原料は「トレビアーノ」という種類の白ぶどうに限定されている。製法は、熟成10年以上のワインビネガーに、ぶどう果汁を煮詰めたものを加え、1年ごとに変える樫や栗の木樽のなかで、じっくり熟成。そして12年以上熟成されたものが、晴れて「バルサミコ酢」となる。イタリアならではの食へのこだわりを感じる製法だ。
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